会陰痛や肛門痛とも呼ばれる「陰部神経痛」は仙骨痛や骨盤帯痛、尾骨痛などと一緒に含まれる事が多いが、いわゆる「神経痛」であるため神経の走行に沿って丁寧な触診によって神経の障害ポイントを予測する事ができます。
ですので下記のように画像データをお持ちの方は、神経の走行と骨盤の状態を合わせて治療計画を組み立てています。
このブログを記載した後に、陰部神経痛でお困りの方がたくさん来院くださり、さまざまなタイプの神経障害を拝見しました。
下記画像はそんな中の一人の症例ですが、こちらのブログの冒頭に挟ませていただきます。
本文で4つの絞扼神経の起こりやすい解剖学的ポイントを記載しましたが、実際にはかなりいろんな症例があることに気づきました。また別の機会に詳細をお伝えできればと思います。

それでは本文に続きます。
骨盤帯痛・仙骨痛・尾骨痛とセットにされやすい理由として、骨盤の状態による靱帯の影響が神経圧迫に影響しやすいからです。
※坐骨周囲の神経痛(陰部神経・坐骨神経・閉鎖神経)や仙結節靭帯・ハムストリングスなどの機能障害を含めて深部臀部症候群Deep Gluteal Syndrome(DGS)と説明する論文を多数見つけましたので、そちらの症例を含めて新たに記載しました。
そちらのブログはこちら
座るのが痛い 坐骨の痛み 深部臀部症候群 deep gluteal syndrome(DGS)
下の動画で説明しているように寛骨の後傾・仙骨の前傾の際には、周囲の靱帯の緊張によって骨盤を安定させるため、寛骨の後傾による仙結節靱帯の緊張が陰部神経痛を起こす原因の一番多いですが、それだけではなかなか治らないのが身体の難しさ。陰部神経痛の説明を加えながら症例報告したいと思います。
3年前にも同様の症状を症例報告する事があり、過去のパターンと今回どのような違いがあるのかを検討しながら症例を検討していきたいと思います。
かつてのブログはこちら
太ももと脚の付け根の張り 肉離れ? 仙腸関節の状態から読み解く
https://agitos.blog/2022/06/27/ischial-tuberosity-pudendal-nerve/

陰部神経の絞扼神経障害
この二つの論文を参考に解剖学に基づく陰部神経の圧迫として4つ挙げられる。
①梨状筋の下で、陰部神経が大坐骨切痕から出る際に起こる
②仙棘靱帯と仙結節靱帯の間で起こる(最も一般的な部位)
③アルコック菅
④終末枝の巻き込み
この分類によれば、前回の症例は③と②の複合のようなものかと思います。
さて今回はどうでしょうか

後々調べる中でこちらの論文も上記と同様の分類をしていましたので添付します
Anatomic basis of chronic perineal pain: role of the pudendal nerve
また次の論文によれば、陰部神経は、坐骨棘の後方ではなく、仙棘靭帯の後方を横切っていることがわかります
Surgical anatomy of the pudendal nerve and its clinical implications
これらの論文を読むと、上記の4点以外にも仙棘靭帯後面での絞扼神経障害も起こり得そうです。実際にそれらしき方もいましたのでいつかブログにまとめたいと思います。
まずは、今回報告する症例をご紹介します。
症例:陰部神経痛
座っていると会陰部がピリピリと痛み、消化器内科での様々な検査からは問題が見つからなかったため、肛門痛(陰部神経痛)と診断される。
座っているとものの数分で神経痛が起こり、立っていると神経痛は起こらないが、それはそれで足腰がパンパンに張る。




触診からすぐに側彎症がある事がわかり、脊椎の調整には側湾によるリスクがあることから、内臓の検査のために撮影されていたCT画像をご持参いただけましたので、こちらを参考に3Dモデリングを行ってリスクの高い椎骨を事前に把握しました。
画像と触診から
1.腰椎左側湾(左凸のカーブ)
2.第4腰椎滑り症
3.骨盤左傾斜
4.第4腰椎右屈・第5腰椎左屈変位
5.寛骨左後傾・右前傾
3Dモデリングを行った脊椎に対してそれぞれの回旋や側屈角度を分析して側弯治療に活かしていきます。
圧痛は左の仙骨周囲は圧痛があり、仙結節靱帯・梨状筋・仙棘靱帯どれも触ると緊張が強く痛みがあります。
ここからも陰部神経痛を引き起こしているのが、上記した①②③どれも可能性がある事がわかります。
梨状筋の緊張と合致して、股関節の外旋も可動域が制限されています。
側湾や滑り症からももしかすると脊柱管狭窄症も併発していることも考えられます。
陰部神経の走行に沿って出ている圧痛を改善させながら陰部神経痛の変化をみてみました。
この症例の後にたくさんの神経痛や仙腸関節障害を拝見して、下記の画像のように3DモデリングやCTの3D分析もたくさんの症例で実践し役立ててきました。

下記ブログに上記3D分析のようにさまざまな仙腸関節障害についてご紹介させていただきました。ご参考までに
治療内容
A:梨状筋の緊張緩和として
股関節の外旋可動性制限の改善:股関節のモビライゼーション
仙骨の左後方変位:仙骨のモビライゼーション
坐骨神経の促通:L5左下方変位に対するモビライゼーション
B:仙結節靱帯の緊張緩和として
左後傾寛骨の改善:仙腸関節のモビライゼーション
仙骨の左後方変位の改善:仙骨のモビライゼーション
施術後の経過
陰部神経は椎骨による圧迫よりも靱帯の緊張による圧迫が原因になることが多いため、仙腸関節の調整が何よりも変化があって欲しい印象でした。
しかし、実際には側湾自体へのアプローチが一番効果を出し、第5腰椎の調整によって左骨盤にかかる力が減少し、仙腸関節の調整によって仙結節靱帯の緊張も改善したことが一番、陰部神経の促通を得られました。
3回の施術であっという間に陰部神経痛は改善したのですが、バランスが変わったことが影響していたのか、立っていると坐骨神経痛が出現することになり、その治療で4回くらいかかってしまい、なかなか難しかったです。
ただ、その後にぎっくり腰で来院された際には、陰部神経痛の治療ポイントとその後の坐骨神経痛を改善させる際のポイントで一回で痛みを取る事ができ、その方の体の癖を理解することができるようになりました。
課題と自信の両方を与えてくれた患者様に感謝です。
最後に動画で紹介するのは、仙腸関節障害、深部臀部症候群と疑っていましたが、「腰部の神経の促通」で改善が見られた股関節、臀部痛症状です。
こちらの腰部症状なのか仙腸関節障害なのかどうかは治療を始める前からの予測はかなり難しいです。
なので実際に変化を確認しながら進めることが大切となります。
治療院詳細
にしむら治療院
東京都港区芝5−27-5山田ビル503
駐車場1台
Tel:03-6435-2437
website:https://hari.space/index.html
web予約:https://hari.space/contact.html
アギトス鍼灸整骨院
さいたま市中央区下落合1013-1スピカビル2階
駐車場4台
Tel:048-708-2011
website:https://www.agitos.jp/index.html
web予約:https://www.agitos.jp/contact.html
その他、大阪も毎月伺っています。ご希望の方はにしむら治療院の方からお問合せください


