近年、変形性膝関節症の原因の1つに内側半月板後根損傷(MMPRT)が指摘されています。
半月板hoop機能(荷重ストレスの分散)の破綻が急激な変形性膝関節症の進行の一因とされています。
軸方向の機械的ストレスの約70%が半月板を介して分散されていることを考えれば、半月板の損傷によって変形性膝関節症に発展することは想像ができるでしょう。
今回は、膝の半月板損傷及び、軟骨炎の方でフルマラソンを無事に完走したMMPRTの症例をご紹介します。

MMPRTの病態
MMPRTが起こると半月板の逸脱が生じるとされ、逸脱量と接触圧の上昇は相関関係があると言われています。
“The relationship between medial meniscal subluxation and stress distribution pattern of the knee joint: Finite element analysis“
単純X線のみでは早期OA変化と見過ごされ、その後、急速にOAが進行していくことが問題ですので、早期に発見し治療にあたれることがとても重要となります。
MMPRTは人工関節置換術適応患者に至っては78%の割合で発生しているという報告があります。
今回来院された時に、これを勉強していて本当に良かったです。
参考図書:整形・災害外科:早期変形性膝関節症の診断と治療:2021年03月号(64巻03号)の雑誌案内 | 金原出版
このブログを執筆後、膝関節のMRIを持参されて来院される方が増えたので、本ブログの症例へ移行する前に「軟骨損傷」の症例と「半月板断裂」の別の症例を二つ挙げておきます。
膝の痛みを主訴で来られる方が増えると意外とMMPRTの患者が多いことがよくわかります。


MMPRTの診断
膝後内側部痛とパキパキと音が鳴るような場合に多いと言われています。
深い屈曲よりも階段の昇降など30°ほどの軽度屈曲位での動作の方がより損傷する可能性が高いとも言われています。
半月板の後方部分ですから、軽度屈曲時にうまく半膜様筋での引き込みが開始できずに損傷するというのが私見です。
今回の症例も日常動作では階段の降りるのが非常に怖い、と訴えていました。
診断にはMRIが有用です。これまた読影の勉強していて良かった・・・
症例と共に画像診断についても復習していきます。
MMPRT 症例

大腿骨及び脛骨の内側顆の軟骨部分に炎症が起きていることがわかります。
幸い軟骨下病変らしきものが見えないので、今ならだいぶ変形予防に役立てられそうだということが想像できます。
診断は受けていなかったので、私の私見となりますが、内側半月板の後節・後根あたりに水平断裂のような線が見えます。
幸い血液が通っているレッドゾーン(血液の流入があるため赤い領域)のために軽度の断裂や損傷であれば自己治癒が見込めるので経過観察となったのかもしれません。
後根の断裂はghost signがなさそうなのでとりあえず内側半月板後節の損傷かなという私見です。
内側半月板が逸脱していますが、軟骨下病変まで至っていないことから徒手療法で矯正できそうでした。
半月板のroot tear(後根の断裂)に対して、以前は、半月板切除術を行なってきましたが、2016年にEuropean Society of Sports Traumatology, Knee Surgery & Arthroscopy コンセンサスで理学療法や偽処置と半月板部分切除の成績が変わりないことが報告されていることもあって、とりあえず当院で徒手療法を行なってみます。
“Surgical Management of Degenerative Meniscus Lesions: The 2016 ESSKA Meniscus Consensus”
膝のロッキング症状もないが、うつ伏せで膝を曲げていくと、右膝は屈曲90°とかなり硬い状態でした。
上部腰椎に問題があり、改善すると屈曲110度まで改善。
膝のO脚様の内側で狭小、外側は二頭筋の機能不全によって内側優位のハムストリングスになっていました。
以前にもご紹介した総腓骨神経と脛骨神経領域の調整で膝のアライメントも改善。
結果フルマラソン時には膝の痛みなく走ることができました。
治療院詳細
にしむら治療院
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アギトス鍼灸整骨院
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その他、大阪も毎月伺っています。ご希望の方はにしむら治療院の方からお問合せください

