腰痛もないのに「足がしびれている、別で胃も痛い」いったい何が起こっているんだろう?と不安になっている方も多いと思います。
わたし自身の身をもって感じている不安でもありました。
しかし施術で良くなることを知った今はそんなに不思議ではありません。
今日は胃の痛み(機能性ディスぺプシア)と足のしびれについての症例を紹介致します。
足のしびれは、必ず腰が原因であるとは言い切れないが、やはり最も多い原因は腰からであるのは間違いないでしょう。
腰痛がなくても押さえられてみて「圧痛」を感じる場合、そこはしびれと関連している場合があります。
その圧痛のポイントが胃と関連していれば2つの異なった症状を出していても不思議ではありません。
それでは症例をもとに細かく検証していきましょう。
症例
男性風邪を引き、長時間の睡眠によって腰痛を発症。体調の改善に伴い、いつもの日常生活に戻れ腰痛は改善。
その数週間後、食後に起こる胃痛と膨満感が始まる。
それに続くように右足大腿部内側のしびれが出現。
来院に至る
検査・触診 圧痛は「第1腰椎」でした。右は大腿部に放散痛があり、しびれと関連することが予想できました。
可動域検査
SLR 右30度 左40度
外転 右30度 左40度
腹部の触診
季肋部に強い圧痛浅い層では左に緊張があり、深い層では右にも強い圧痛と右下肢に放散しました。
考察:
第1腰椎の左下方変位(右起立筋の緊張過多)による後腹膜のねじれが起こり十二指腸の機能を制限させ、同部位より始まる大腿神経を刺激して右モモのしびれを発症。

胃痛の原因:機能性ディスぺプシア
胃潰瘍は基本は空腹時痛が症状なので、食後の胃痛を最近では、「機能性ディスペプシア」胃の運動機能低下による症状と言われ始めています。
これは我々の技術でも改善できる症状です。
今回の症例から治療法を考えていきます。
機能異常の原因としては、胃は後腹膜臓器ではないので動きは大きく神経的な要因が多いことが予想できます。
十二指腸は後腹膜臓器ですので、腰のすぐ表側に固定され、腰の状態で十二指腸は動きを悪くすることがあります。

胃痛を改善させるためには、
①胃に向かう神経系の促通による機能改善
②腰部の調整による後腹膜を介した十二指腸の機能改善
今回の症例は主に②でした。
第1腰椎の治療そして第1腰椎の変位に対してバランスを崩していそうな背部や骨盤を調整してその場でしびれは改善しました。
座っている体勢が悪く、確かに食後にお腹を圧迫させていそうでしたので、姿勢維持のために治療を続けていて、しびれは体調の悪い時だけ出ている、そんな状態で落ち着いています。