誤嚥性肺炎が高齢者や神経疾患を患う方にとって、とても怖いことは一般にも知られるようになりました。
この誤嚥を防ぐために、「嚥下の機能」は近年研究も発展しており、口腔外科の分野を調べるとたくさん論文が出てきます。
当院では、この嚥下の機能を障害するに至る「神経・筋骨格・関節の機能異常」を検査し治療を行なっています。
このページでは簡単な嚥下の機能解剖についてご紹介します。

患者さんA
最近、飲み込むときに喉がつっかえるんです。咳き込むことも多くなってきました。

西村
首や頭の骨・肩甲骨や背中の問題の方が多いです。理由をご説明しますね。
嚥下に関わる舌骨の機能
飲み込む際には、舌骨(喉仏)が上に上がることで気管に蓋をします。

図の黄色部分の食べ物が、その下にある咽頭によって気管に入らないように蓋の役割を担っています。
「咽頭」は筋肉のように動くことができない組織ですが、そのすぐ下にある舌骨と連結していて、舌骨が動くことで咽頭が動いてくれます。
舌骨は、浮いている骨のために、付着している筋肉の影響を受けやすく、歪みやすい骨の1つです。
付着している筋肉は、それぞれ、①胸骨 ②肩甲骨 ③側頭骨 ④下顎骨に付着しているため、それらの関節の機能を当院では検査し、舌骨の治療に使っています。
舌骨の付着筋

顎二腹筋が嚥下の際に最も働く筋肉です。
顎の問題や頭の傾きがかなり影響するのがお分かりいただけたでしょうか?