側弯症をお持ちの方は、「背骨の歪み」を基準に筋肉の緊張や関節の状態を予測することが難しくなります。
レントゲン画像をお持ちの方は、その画像と関節の機能検査と合わせることで真実に少し近づくことができます。
今回は、胸椎で側弯症が強いために背部の痛みの評価が難しい方がレントゲンと比較しながら検討することで3回の治療で背部痛が完治した例を復習していきます。
ちなみに側弯症に対する運動による介入にはエビデンスはなく、医療業界で知られている「シュロス法」も実際にはエビデンスはないとされていました。
参考論文:Effect of stabilization exercise on back pain, disability and quality of life in adults with scoliosis: a systematic review
ここ最近の論文では、シュロス法などの運動療法も効果があるとされてきている論文が出てきていて、今後変わってくるかもしれません。とはいっても難しい症状ですので、評価と治療計画を何度も繰り返し検討していくことは重要であることには変わりません。
参考論文:Application of the Schroth Method in the Treatment of Idiopathic Scoliosis: A Systematic Review and Meta-Analysis
ただ側弯症痛いする治療法は確立したものがなくとも、付随する痛みの軽減はできるものです。今回は、「側湾症の画像評価を用いて、痛みを改善する」というテーマでお話しします。
症例:
ジムで普段からトレーニングをしているが、少し強度を高くしたトレーニングをした翌日の朝、動こうとしたら背中に痛みが走り、呼吸をしても痛みが出るということで整形外科で受診後来院に至ります。
特に左の脇腹と、左の肩甲間部の下の方の背中に痛みがあります。


レントゲン画像を拝見すると上部胸椎での側弯が強いタイプであることが確認できます。
しかし、この肩の痛い部位は脇腹という表現、もしくは背中の肩甲骨の間の下の方という表現の通り、中部胸椎のエリアとなります。
レントゲンの上部胸椎の左側弯部分よりは中部胸椎の右側弯のあたりが症状と言えます。
レントゲンを丁寧に見ていくと、第3胸椎から第5胸椎までは左回旋しているが、第6胸椎から下は右回旋しています。
第5胸椎と第6胸椎で回旋が入れ替わることから、この付近に肋骨の捻れを引き起こしやすいことが予測できます。
また第6胸椎、第7胸椎は椎体の形がやや左側が低くなっているため、ここは構造的側弯が考えられそうです。
治療考察
第6胸椎以下の右回旋している部分は左回旋を制限させている腹斜筋のストレッチを狙って胸椎の回旋モビライゼーションを行いました。
第3胸椎・第4胸椎は左回旋変位をしており、右回旋できません。
また左肩の水平伸展の制限もあることから、左の大胸筋・小胸筋の緊張による胸椎の左回旋が疑われるため、左肩の伸展を用いた右回旋モビライゼーションを行いました。
また構造的側弯がある第6胸椎、第7胸椎は左側屈しているような構造的側弯のため、こちらに右側屈の可動性制限も含まれていたため、側屈の治療を行いました。
今回、画像診断が大変役に立ったのは、第6、第7胸椎の構造的側弯です。
触診でもかなり左の肋間が狭く感じましたが、構造的側弯が存在していることがレントゲンで確認でき、可動性だけ確保するような小さな動きを作ることに専念できたことです。
1回目の施術は正直なんとなく改善程度でしたが、2回目の施術は1回目で触診した感覚と画像を照らし合わせた結果、大きく痛みを改善できました。
今後も画像診断の勉強も一緒に続けていきたいと思います。

