冠攣縮性狭心症と手の腫れ

不定愁訴

冠攣縮性狭心症について

心臓の表面を走行する比較的太い冠動脈が一過性に異常に収縮した状態を冠攣縮と言います。

この冠攣縮によって胸の痛みや肩や腕の痛みを引き起こすことがあります。

発作時に不整脈が出現するが、意識障害が見られる場合もあるようです。

参考資料:冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン

症例:

今回、症例検討する症例は、3ヶ月前に、冠攣縮性狭心症の発作を起こした循環器疾患の既往歴のある方が、手の腫れと痛みを患って来院しました。

狭心症の発作症状が手の痛みと共に改善したことについて今回、分析していきます。

以前にも、胸の痛みと不整脈の改善に、心臓神経の起始部である第一胸椎の調整が役に立ったことは以前にも報告したことがありました。

過去のブログ
心臓バクバク 不整脈? 背中も痛い

今回は、心臓の筋肉(心筋)の栄養を司る冠動脈の痙攣による症状ですので、冠動脈の神経支配が、ポイントになります。

私が持っている解剖学資料には、冠動脈を支配する神経がどこから起始しているのかを記載している文献はなく、ネットでもなかなか見つけることができません。今後もこの神経解剖については勉強を続けていきたいと思います。

心臓神経

心臓は自らペースメイクする細胞ですが、外からいくつかの刺激に応じて早めたり遅めたりする機能があります。

例えば、

  • ベーンブリッジ反射(右心房の還流増加)
  • 大動脈神経反射・頸動脈小体反射(化学受容器CO2に反応)
  • アシュネル反射(三叉神経第1枝-迷走神経の反射)

これらの主要な反射システム以外にも、心臓神経と呼ばれる交感神経によって心拍が調整されます。

交感神経の走行は冠動脈と並行するので、おそらく、この冠動脈の神経支配もこの心臓神経なのではないかと予想できます。

交感神経の支配

上の図のように、Th1~Th4が心臓神経となるのですが、今回の症例の母指球も偶然にもTh1が神経支配となっています。

症例報告

Th2が屈曲変位を起こしているために、第1肋骨と第2肋骨の間で狭窄が起こり母指球の緊張を起こしていました。

そのほかにも腰痛や、肩の痛みも患っているため、それぞれの調整を必要としましたが、その主訴である手や心臓に向かう神経の起点である上部胸椎・下部胸椎をどうやって安定した状態に近付けるのかがポイントでした。

まずは、腰痛や肩の痛みに対する治療をした後に、指の緊張がどれくらい取れるのかを見ながら治療を進めていくと、指の動きも治療後はきちんと改善してくれます。

治療を開始してから約1ヶ月半経ちましたが、飲酒後に必ず起こっていた発作である胸の苦しさや痛みが脊椎を中心とした施術以来、なくなったそうです。

心臓写真
心臓写真

内臓疾患を主訴として来院される方の場合に、神経支配から治療しても良くならない場合は、悔しいですが多いです。

投薬治療である程度安定しているが、未だのこっっている症状、今回の場合で言えば、胸の痛みや締め付けられる感覚という症状ですが、こう言ったこと残った症状は比較的変化が出る場合があります。

そして、さらに今回の場合のような、指の痛みと心臓という神経の走行が類似している運動器疾患を患っている場合の治療成績は良いように思います。

今回のような症例を機に、内臓疾患を主訴とする方の症状に対しても改善が見られるように勉強を続けたいと思います。

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