嚥下のリハビリ 誤嚥性肺炎の予防 口腔機能学 

舌骨の付着筋不定愁訴
舌骨に付着する筋肉

以前にも、パーキンソン病と誤嚥性肺炎についての症例の中で、嚥下の機能を説明しました。

パーキンソン病と誤嚥性肺炎 顎の震え

その時は、頭の傾きと顎関節について説明しましたが、今回は「嚥下」そのものの機能について症例と共にご紹介します。

口腔筋機能療法 舌がうまく動かない 

でも触れましたが、今回は喉頭蓋の機能解剖を説明します。

 


 

咽頭を通過する時の喉頭蓋の動き

咽頭を通過する時の喉頭蓋の動き

 

咽頭を食物が通過する際に、喉頭蓋は気管を塞ぐための蓋をします。

喉頭蓋は軟骨組織のために、それ自体に運動する機能はありません。

喉仏のすぐ上にある舌骨が前上方に動き、それをテコに喉頭蓋は気管を塞ぐべく後下方に倒れます

舌骨に付着する筋肉

舌骨に付着する筋肉

今3つの筋群に分けましたが、
①舌骨を上に動かす「茎突舌骨筋」「顎二腹筋後腹」「オトガイ舌骨筋」「顎二腹筋前腹」
②舌骨を下に動かす「胸骨舌骨筋」「肩甲舌骨筋」など

に大きく分けられます。

ここからは症例をもとに説明します。


 

症例:

80代男性:既往歴に脳出血、片麻痺による側弯

ほぼ寝たきり(座ることはなんとかできている)のため、要介護認定を受けています。

足の治療で当初往診をしましたが、食事が最近取れなくなってきたという相談を聞き、嚥下の治療も開始しました。

足の調子が悪くなってから、寝る時間が長くなり、顎関節の筋力が弱くなったことが原因のようです。

 

ここでポイント

先ほどの図

舌骨に付着する筋肉

舌骨に付着する筋肉

この顎二腹筋とオトガイ舌骨筋がかなり重要な筋肉です。

最初にお話ししたように、飲み込み(嚥下)の際に舌骨が前上方に動くことによって喉頭蓋が気管を塞ぎます。

この舌骨の前上方へと引っ張る筋肉が顎二腹筋とオトガイ舌骨筋です。

ただこの筋肉は下顎骨(顎の下の骨)に付着しているため、下顎骨が固定されていなければ機能しません。

 


 

考察:

寝たきりによって顎の筋肉が落ち、下顎骨が固定できないために舌骨の引き上げができなくなった。

そのため、咀嚼機能だけでなく、飲み込むこともしづらくなり、体力的にさらに低下した。


治療:

下顎骨の固定と、側頭骨に付着する舌骨筋や、舌を動かす筋肉の調律を合わせるために、後頭下筋群の調整を行い、かつ、肩甲骨と胸骨の調整によって、舌骨を下方に引っ張る筋肉の緊張を緩和。

 

最後の最後まで、自分で食事を取れるようにと祈りながら治療に携わらせていただいています。


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