頭痛に加えて、片方に引っ張られるような感覚のあるめまいの症例について今回はご紹介します。
これまでにめまいは様々な病態の治療を経験してきましたが、今回は視覚と頭の傾きがポイントでした。
症例(現病歴)
ここ数ヶ月間、めまいと頭痛に悩まされ、病院に行って脳の検査・耳鼻咽喉科による平衡感覚の検査を行うも異常なまでの数値は出なかったため、知人に紹介されて今回、来院に至ります。
症状:
右側頭部の頭痛、めまいは右に引っ張られる感覚
治療考察
右側頭部の頭痛として予測できる病態は、”大耳介神経の痛み“もしくは”咀嚼筋である側頭筋の緊張“です。
側頭部に向かう神経である大耳介神経は、第2頸椎と第3頸椎の間から出てくるため、頸椎の問題で頭痛を起こします。

側頭筋は、顎関節の状態で硬くなったり萎縮したりします。
症状が出る時期と合わせて歯の治療に通っていたかなどの聴取はとても重要です。

現病歴:
仕事はデスクワークでパソコンによる仕事のため、昔から目の疲れは夕方から感じることがあったが、資格試験勉強が重なり、眼精疲労はいつもより強く感じていたそうです。
しかし、試験が終わって生活が落ち着いても症状は変わらず、次第にめまい感が出現し、来院への最終動機となりました。
ポイント
問診でいくつかのポイントに気づきます。
①「右」という共通の方向。
②資格試験勉強という新たな環境の変化。
試験について詳しく聞いてみると、スキルアップするための資格試験で、週に数回セミナーに参加していたそうです。
授業は筆記で席は窓側に座ることが多く、右前を向いていることが多かった。

この右に目を向けるというのは、右の外側直筋と左の内側直筋の協調運動によるものです。
授業中、パソコンの前に座り、よく右手で頬杖をついていたそうです。
右手で頬杖をつくと頭は傾いた状態で視線を向けます。
同時に顎関節へのストレスも受けます。

頭が傾くと、眼球は視覚を水平に保つために滑車筋によって眼球を回転させるような力を発揮します。
この”頬杖による顎のストレス“と”視覚による眼球へのストレス“が症状を招いているという仮説を立てました。
共同性注視の試験を行うと、右への眼球運動で眼振が出現し、特に右上で眼振は強くなりました。
つまり右上を見続けることが辛いことが予想できます。
頭部と頸椎の機能検査を行うと
右回旋制限、左側屈制限が顕著です。
頸椎の状態も右上が見にくい動きで、眼球運動の制限とも重なります。
頭頸部の機能解剖
頸椎の検査法
外眼筋の機能
治療:
第2頸椎の回旋と側屈の制限があり、モビリゼーションで治療
顎関節の機能と眼球運動をチェックし、頸椎の変化と比較していきます。
顎も目も若干スムーズに動きますが、まだ動きの硬さが残ります。
歩行時にもまだ右に引っ張られるような感覚が起こったため、頬杖をついていたというヒントから、右肘と右肩の治療も加え、全体的に動きがスムーズになりました。
数回の治療を重ねるうちに新たに腰や股関節の異常にも気づきがあり、その都度検査と治療を行い、頭痛もめまいも改善しました。
問診から得た情報がそのまま活きた症例でした。
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