内側半月板損傷を患っていた方には、
サッカーやラグビーなど急な方向転換や接触スポーツで痛めた方
ゴルフやテニスなど非接触スポーツで体の回旋を行う方
変形性膝関節症と併発している方
などスポーツ傷害から慢性疾患まで様々です。
今回紹介するのは、自衛官の方で、パラシュートの落下訓練時に膝の半月板損傷と前十字靭帯断裂をした方です。
症例を紹介するとともに、仙腸関節と半月板の関連についてご紹介します。
キーワードは:
ハムストリングスの筋繊維構造の違い、筋繊維構造と特異な機能、半月板と筋肉の関係
症例:
30代 男性 自衛官
20代の時にパラシュート落下の訓練中、着地時に膝を痛める。
訓練後病院にて前十字靭帯断裂、内側半月板損傷と診断され、十字靭帯の手術を行いリハビリを行なった。
基本的な動きには支障はなく、疲れが出てくると膝の内側に痛みと可動域制限が出現。少しずつ悪化していくのが気になり紹介され来院に至る。
基礎解剖学:
内側半月板は半膜様筋によって後方に引き出され、膝の屈曲時に半月板が引っかかる(ロッキング)ことを防ぐことができます。
今回の様に、膝の内側半月板の損傷があった方は、膝の屈曲可動域制限がある場合、多くのかたが、膝の裏側に引っ掛かりを感じることが多いです。
今回の場合も、膝の表側の張りよりも、膝の裏側に詰まった感覚がありました。

半月板とその周囲の組織
症例に戻ります。
検査すると膝の屈曲時に、脛骨の後方変位が強く、前方引き出しにより、膝の屈曲可動域は改善しました。

また、膝の屈筋の出力も低下していましたので、坐骨神経の障害も疑い、下部腰椎の調整も行いました。(下記は別のサッカー選手における治療経過で撮影したものですが同様の経過だったので引用します。)
確かに膝の屈曲の筋力テストにおいて改善は見られるものの、膝の屈曲の最終域でまだ詰まった感覚が起こります。
通常、脛骨の治療で改善することが多いのですが、今回はそううまくいきません。
最終結果
仙腸関節の治療に用いる坐骨の調整で最終屈曲も良くなりました。

今回はその理由について考察します。
腱と筋繊維の向きによって得意とする機能は変わります。
半月板を後方へと引き込む半膜様筋は羽状筋の構造になっています。
内側ハムストリングスを一緒に構成する半腱様筋はと言うと…
紡錘筋(平行筋)という構造になり半膜様筋と機能が異なります。
それが二つの異なる筋肉が存在する理由なのかもしれません。
半膜様筋は伸長された際に力を発揮しやすい筋肉のため、起始停止の位置関係が重要になります。
その起始部である坐骨結節は仙腸関節の機能障害によって位置が変化します。
今回坐骨の治療が膝の屈曲角度を改善した理由は、
筋繊維構造の違いによる内側ハムストリングスの協働運動の障害が起始部位の改善によって正常になった、と考察できます。
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