コロナ後遺症? 感染後の喉のつっかえと逆流性食道炎

第6頚椎(青)星状神経節(紫) 内臓
第6頚椎(青)星状神経節(紫)

風邪を引いた後に続く全身の倦怠感や肩背中の張り、そして喉の違和感などは昔からあり、それらも効果的な治療として対応してきました。

しかし、ここ最近は、同様の症状であっても「新型コロナウイルス」という世界的なパンデミックの到来によって、昔からあった症状も「コロナウイルスによる後遺症」として特別な扱いをされているように思えます。

確かに帯状疱疹のように神経を障害させるウイルスもあるため特定の症状を起こすこともあるでしょう。しかし、今回の症例のように喉の違和感や逆流性食道炎も然り、意外と首周りのシンプルな機能障害であることも多いです。

今回は、コロナ後遺症として喉の違和感と逆流性食道炎の治療を慢性的に行なってきた方が、当院での2回の施術で日常気にならない程度に改善しましたので症例をまとめていきます。

喉周辺の機能解剖

まずは周辺の解剖についてです。

発声障害や手や肩などの上肢の症状には頚椎がかなり有効的です。

それは発声に関わる組織である「声帯」が第5・第6頚椎の前方に位置しているからです。同様に声帯を支配している神経は反回神経で第2胸椎あたりまで一度下降したのちに動脈を横切り再度首へと上がるため神経の走行からしても頚椎・胸椎は治療のポイントになります。

声帯の治療 輪状軟骨
声帯の治療 輪状軟骨

発声についてのページはこちら

同様に上肢の神経は頚椎から出ていくため、頚椎の機能障害によって腱鞘炎や五十肩を起こすことがよくあります。

頚椎神経根症

食道の神経支配

今回の症例における「食道」は神経支配は「声帯」の支配神経と同じ迷走神経から分岐する反回神経からなっています。

交感神経によっても支配を受けていますが、頸部交感神経幹から直接に食道に達する枝は少なく、星状神経節体たえだが反回神経に入り迷走神経と交じり合って食道に入るとされています。

症例:喉の突っ掛かり 逆流性食道炎

普段から来院されている方でしたが、コロナウイルスに感染後から喉のつっかえと胸焼けのような違和感を抱えて、耳鼻科で逆流性食道炎の兆候があるため服薬で経過を見ていました。

服薬での経過で変化が出ず、そんなことを普段の治療中に話に出たので改善できそうなポイントを探してみました。

逆流性食道炎において食道裂孔ヘルニアがあれば腸腰筋や横隔膜が食道裂孔と関与するのでその辺りを見ていく必要があります。

今回確かに、胸焼けのような胸の辺りにも症状がありましたが、逆流性食道炎という割に、鎖骨のすぐ上くらいの「喉が引っかかる」、「違和感がある」という部位の症状もあるため、あまりにも広範囲であることから食道一体に炎症があるのか、喉の症状と胸の症状はまた別かもしれないという風に感じ始めました。

もし食道が上部から下部までの広範囲におかしくなるとすれば神経支配が1つターベットになります。
そして上部食道のすぐ後ろにある頚椎は、嚥下時の引っ掛かりと神経支配と共に共通した解剖学的特徴があるので、そこを細かく見ていきました。

結果は上記の動画にあるように、第6頚椎を頂点とするような前弯のカーブが強くなり、そこが食道を直接的に刺激し引っ掛かり感を出させ、かつ食道の神経支配である星状神経節を刺激して食道一体の不調を起こしていたようです。

第6頚椎(青)星状神経節(紫)
第6頚椎(青)星状神経節(紫)

頚椎の回旋と伸展の治療を行うとその翌日から症状は消失しました。

この後顎関節症の症状も打ち明けられ、そちらも良くなりました。

コロナウイルス後遺症と一括りにせず、触診で1つ1つ症状を起こしうる部位を手探りしていくことで一見奇妙な症状も改善できることがわかりました。

参考図書:

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