あぐらによって出現した外側大腿皮神経痛

外側大腿皮神経(紫)と坐骨神経(黄色)腰・股関節の障害
外側大腿皮神経(紫)と坐骨神経(黄色)

年末が近くなってきて会食が増えてくると、座る時間が通常よりも多くなり腰痛の方が増えてきます。

ぎっくり腰のような症状だったのですが、「太ももの外側がズキズキして痛い」「座っていると股関節や太ももが張って叩きたくなる」という症状の方が来院されました。

思い当たる原因がなかったのですが、前日に何かしていたのか尋ねると、「座敷での宴会でたくさん飲んだ」という話でした。

あぐらを長い間かいていた、それが今回の症状の引き金だったようです。

※今回の動画は解説もしているため音声ありです。

外側大腿皮神経

外側大腿皮神経(紫)と坐骨神経(黄色)
外側大腿皮神経(紫)と坐骨神経(黄色)

外側大腿皮神経は上部腰椎から出ている神経で、鼠蹊部を通ってくるため、腰部の神経根もしくは鼠蹊部での神経障害が多い神経です。

症状としては太ももの前面と外側の感覚を支配しているので同部位の痺れなどの感覚障害が一般的です。

感覚神経なので、筋肉の障害が起きている場合は、別の問題です。

今回の症例は、太ももや股関節の筋肉による張りもありましたので坐骨神経痛も関与していました。

症例:

50代男性

思い当たる原因がなく、朝起きてから太ももからお尻にかけての痛みで立ち上がると楽になるが、座るとすぐに太ももの痺れが出現。

ひどくなると、膝下にも違和感を感じます。

触診をすると

第4腰椎の右側が上方に強く変位していて、第3腰椎との間で神経障害が起きているようでした。

第4腰椎左側屈・第3腰椎右側屈
第4腰椎左側屈・第3腰椎右側屈

治療

第3腰椎の右側を上方へモビリゼーションでかなり痛みは落ち着き、第4腰椎のモビリゼーションを次に行いました。

通常は右の凸側から左へと押圧をかけてのモビリゼーションをこの側湾の場合はするのが一般でしたが、右側からコンタクトすると痛みが増悪し、椎骨の左を上方へのモビリゼーションで改善しました。

最初の見立て通り治療も効果が出たのですが、原因がわかるとその後の日常生活の注意点がわかってきます。

そこで前日に何があったのかを2人で検討してみたところ、座敷で飲んでいたからかなという結論に至りました。

座敷であぐらをかいていた際に、左に体を傾いていたことが予想でき、どんな体勢だったか聞いてみるとズバリ、その体勢だったようです。体は正直ですね。

今回の症例は、股関節の硬さの左右差によってあぐらをかいた際に体が傾き、その姿勢が長い時間行われ、元々の体の状態に加わって次第に脊柱の方に力が加わり、一部で神経障害を起こしていました。

正しく読み取れば、効果は必然。
今後も正しく読み取れるように技術を磨き続けます。

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