坐骨神経痛 椎間板ヘルニアと神経根障害

腰・股関節の障害
筋緊張の総和が歪みを決定する

腰痛と付随症状

腰痛が一番当院での来院比率が多い症状ですが、付随症状は様々です。

分類症状
関節疾患膝関節症外反母趾
神経疾患足に力が入らない筋が痩せる(萎縮)
血管障害足が冷たい・冷える足がつる(血管・神経両側性)
内臓障害不妊便秘・下痢・逆流性食道炎
付随症状の種類

付随症状は、膝関節症や股関節症など、腰椎の変位による力学的負担によって足の関節にストレスがかかってくるものがあります。

その他にも坐骨神経痛の様に腰から出る神経の障害によって筋肉が痩せてきたり、力が入らない、感覚が鈍いなどの症状も来ている方に多い症状です。

血管障害は、実際には、血管を支配している神経の障害と言ってもいいものではありますが、たまに、腰椎の変位によって直接血管にストレスを与えていた場合もあります。

内臓障害は、後腹膜臓器と呼ばれる、腹膜の後ろにあり腰椎に接続しているものだったり、食道が横隔膜を抜けてくるなど、腰部の機能が関わる臓器の問題もよく来院される原因となっています。

腰痛の治療も試行錯誤が必要ですが、付随症状を持っている方はまたさらに複雑な考察を巡らせて治療にあたらせていただいています。

腰痛と歪み

腰椎の筋緊張によるストレス図
腰椎の筋緊張によるストレス図

「歪み」が腰痛の問題であるのは間違いありませんが、歪みのない腰痛も多くあります。

外見的に見える歪みだけでなく、内在する力の引っ張り合いは触ることで顕在化してきます。

図にある様に、筋肉は様々な方向へと引っ張っていますが、対極する筋肉が同時に過緊張を起こすと外見に表れません。

歪みだけで評価をするのは危険ですので、力のやりとりを触診の際にご説明させていただきます。

椎間板ヘルニアの一例

腰椎の変位 腹筋と腸腰筋の異常な緊張
腰椎の変位 腹筋と腸腰筋の異常な緊張

力の総和によって腰椎は極々小さな歪みを起こすことがあります。

上で紹介した図は、腹筋が過緊張を起こしている状況で、腸腰筋がか緊張を起こすと、腰椎の前方部がより下位椎骨に近づいてしまします。

椎間板ヘルニアはこういうタイプに多いと私は感じています。

「腹筋は体に良い」は通常正解ですが、この様に良くない方向へと働く場合があります。

椎間関節性腰痛・神経根障害の一例

背筋と腸腰筋の過緊張があった場合は、この様に椎骨は変位をしがちになります。

この場合はご覧の様に椎間孔と呼ばれる神経の出口が障害されやすく、下部の椎間関節はより狭くなります。

治療方法

腸腰筋が共に悪さをしている場合を例にしましたが、腸腰筋の治療をする際に、背筋や腹筋の問題を同時に取ることがとても大切です。

1つ目の症例であれば、やや伸展する力を加えながら治療を行うことが効果が出る場合が多いです。

※もしヘルニアを伴っている場合は、極々小さな伸展の力でないと危険ですので、安易に真似ないでください

2つ目の症例であれば、屈曲する力を加えながら行うことが重要です。

この様に歪みだけでなく、腰部にかかる力のやりとりを読み取り、治療に生かすことができれば、思ってもみない変化を起こせます。

腰痛がなかなか良くならない方に対しては、この様にとても細かい触診を行いますので諦めず腰痛と向き合っていただければ幸いです。

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