声がかすれる 嗄声 反回神経の障害

不定愁訴
甲状腺と反回神経

今日は「声がかすれる(嗄声)」や「喉のいがいが」「喉の痒み」「咳が出る」についてです。

声を出す声帯の機能異常や、喉の粘膜の知覚の問題ですので、その解剖学を理解すると良い結果が出ます。

嗄声の病態については、後半で述べます。
※大動脈瘤や肺癌やリンパ節転移による重篤な疾患でもなりますのでまずは耳鼻咽喉科を受診してください。当院へは病院と併用した通院をお勧めします。

その他不妊治療や代謝異常などと関係のある甲状腺機能問題に対しても重要な解剖学です。


治療が期待できる病態

我々の治療で変化が期待できる嗄声は、
①反回神経麻痺(手術後)
→手術で損傷された皮膚や皮下組織の緊張をとることで改善できます。

②ヘルペス後の反回神経麻痺
→ヘルペスが出ていた部位に合わせて神経の促通法を行います。

③パーキンソン病による嗄声
→その他の随伴症状、例えば、手の震え、歩行障害など、随伴症状の強い部分の調整と反回神経や交換神経節に対する神経促通


嗄声治療の基礎知識

反回神経のストレス部位:

左反回神経が大動脈弓を迂回する部分は第4胸椎の左側です。つまり第4胸椎付近に大きな歪みがあると反回神経にストレスを与える可能性があります。

たまに胸椎の調整中に喉が痒くなる人がいらっしゃいますが、このせいかもしれませんし、もしかすると上頸神経節(第1胸椎〜第3胸椎の交感神経節)による咽頭神経叢の刺激によるものかもしれません。

もし手の症状を抱えていれば、上部胸椎の異常がより影響を与えている可能性は高くなります。

これまでに治療した方も上部胸椎が一番変化が出る場所でした。

 

上喉頭神経は迷走神経のか神経節から起こり、反回神経とは別で声帯筋を支配しますので、胸椎で変化が出ない場合は、上部頸椎の異常を見つけると良いです。

上喉頭神経

上喉頭神経

 

あとは前回お話しした頸静脈孔と関連する側頭骨・後頭骨・第1頸椎です。

前回のブログはこちら

 

なのでポイントは、
①頭骨・後頭骨・第1頸椎 ②第1〜第3胸椎 ③第4胸椎付近
となります。


嗄声(声がかすれる)の傾向

「声がかすれる」症状は、

①風邪などの喉頭炎による声帯の圧迫
②反回神経の麻痺
③喉頭斜位による声帯のストレス

に分けられ、②の一部と③は我々でも改善できます。

ここで注意が必要なのが、②反回神経麻痺のうち大動脈瘤によるものや、肺癌またはリンパ節転移による反回神経の圧迫です。

ですので、声がかすれるといった症状が出た方は、まずは耳鼻咽喉科を受診されるようお願いします。

反回神経と大動脈弓

反回神経と大動脈弓

上の図は左の反回神経を記したものです。ちなみに右の反回神経は鎖骨下動脈の下を回ります。

 

その他、反回神経麻痺として多いのが、甲状腺の手術後に起こるものです。
甲状腺の真裏を走行するため、甲状腺の手術時に神経の剥離操作を行い温存するも、術後に嗄声が起こる場合が少なくない。

次第に改善すると言われているが、他人によってすぐに寛解するものと長くかかるものと様々という話も聞きます。

甲状腺と反回神経

甲状腺と反回神経

ヘルペスによるものも少なくありません。
これは帯状疱疹後神経痛のように長引く場合がありますが、これも割と治療による変化は出しやすいものです。

他に多いのは、パーキンソン病など神経疾患によっても起こりやすいとされています。
こちらも治療によって変化が出やすい病態です。


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