コロナウイルスの影響で、日常生活を大きく変えることになっています。
来院されている患者さんの生活状況や症状を伺うとこんなところにも影響があるのかと驚くことばかりです。
普段意識しないことに気づく点は良いことですが、普段出ていない症状が出るというのは辛いことです。
普段お目にかかることは珍しい症状につきましても、今までの学びが少しでもお役に立てれば幸いです。
今回は、これまでに何度か紹介している口腔機能についての症例をご紹介します。
※これまでに記載した口腔機能に関するブログはこちら
症例:
女性 40代
普段から肩こりや背中・首の痛みを訴えて来院されていた方ですが、コロナによる在宅ワークが続き、症状が次第にひどくなり、自粛を続けていたが耐えきれず久しぶりに来院に至ります。
そういった症状の他に今回新しく、顎の痛み(顎関節症)や腰痛も訴えていました。
在宅ワークは、オフィスでのデスクワークと異なるのは、家だと周りに気を使わないからか、結構な不良姿勢が多いということでした。
椅子の上であぐらを描くことなど普段のオフィスではまずできないですし、考え込むときも、前まで背もたれにもたれるくらいで、頬杖をつくことなどまずなかったのが、頬杖をかいていたこともあってか顎が痛くなり始めたそうです。
人目を気にしている方が姿勢も良くなるのですね。
今回の様ないつもと違うことをしたときに起こる変化は、その人の状態をより良く読み取る際にとても重要なキーワードとなります。
椅子の上であぐらをかいていた事が腰痛と関連があるとすると、股関節の屈曲・外転・外旋の機能制限が疑えます。
腰痛の位置も骨盤から臀部に近い位置だったので股関節痛にちかいと行っても良いと思います。

3d illustration of Female foot with hip pain
ヨガにも通っていた方だったのですが、確かにあぐらで左側の方が開きづらいとは思っていたそうです。
この機会に、ヨガの動きも良くしていきます。
身体の全体像は
骨盤左下方
腰椎が左側弯
胸椎から下部頸椎まではゆるやかに右側弯
肩は左下がり
頸椎は右側弯
頬杖は左手でついていたというので、胸椎から下部頸椎までの右側弯は頬杖をつく際の身体を左屈している部分と予測できました。
頬杖をつく際には、ついている側で側弯する人と、ついていない方がわに側弯するタイプの人がいるのでどんな感じで着くのか確認が必要です。
左屈している胸椎と骨盤を調整する事で口は開けやすくなりました。
顎関節と側弯については動画の説明がわかりやすいかと思います。
口が開けやすくなったときに、ふと思い出されたのが、「最近飲み込みづらい」という症状でした。

咽頭を通過する時の喉頭蓋の動き
発音テストで舌の機能を検査すると、【か行の発音】が遅れます。
か行は舌を後方に押し付ける運動ですので、嚥下の時に必要な動作として知られています。
発声機能を検査として利用し、治療で変わるかやってみました。
顎関節は開く様になっていたので、口を開ける機能は改善しています。
飲み込み動作では関与しませんが、発声「か」では口角をあげる機能も必要です。
頬杖をついていたせいか、その機能も問題ありません。
頬杖は、左の頬ボネのところにひっかけていたため、頭蓋が右屈していました。
第一頸椎と頭蓋の右屈を調整し、再度発声してもらうと先ほどよりも「か」の発声が速く言える様になりました。
結果飲み込み動作も改善しました。

舌骨に付着する筋肉
舌も筋肉でできていますので、頭部・頚部でどこかの方向に引っ張られると発声や嚥下に障害が出てきます。
飲み込む嚥下や顎の痛み、そして発声も治療で変えられる部分があるというのに驚かれていました。
歯医者の治療と合わせるとさらに良くなりますので、補助的な治療と考えていただければと思います。
子供では歯並びにも影響が出ますので、勉強姿勢はデスクワーク時の姿勢と同様大切だということを改めて実感しました。
西村 公典
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