肩の痛みの多くは肘関節由来

インピンジメント
3d Illustration of Women Feeling the Shoulder Pain

肩関節の治療の基本概念を動画で紹介しています。
ご参考までにどうぞ

 
理論編

数年にわたり、肘関節の触診・検査・治療を講義させていただいてきて、ほとんどの治療家が肘関節の治療を行ってきていない現状に気付かされます。
肘関節の痛みである、テニス肘でさえも周囲の筋肉をほぐすことしか行われていないのです。

肘の検査と治療は肩関節の問題にも必ず必要な部位となりますので、今日はその理由である一つを「テニスを行っている患者さんの肩の痛み」を例としてご紹介します。

スポーツによる肩関節の疾患として多いのが、
【上腕二頭筋腱鞘炎】
【腱板損傷】
【インピンジメント症候群】です。

まずは「上腕二頭筋腱腱鞘炎」と肘の関わりについて

上腕二頭筋腱

上腕二頭筋腱

上腕二頭筋、いわゆる力こぶの筋肉は腕をあげる筋肉でありながら、手のひらを返す(肘の回外)動きを行っているため、テニスで言えばサーブやバックハンドで時に主に働きます。


ここで重要なのが、上腕二頭筋が肩と肘の二つの関節をまたぐ長い筋肉であるという特徴です。
肘の機能障害があった場合に、上腕二頭筋は大きな負担を背負わないといけないのです。
そう言った理由から
上腕二頭筋腱鞘炎は肩の痛みとして訴えてこられますが、実はその背景には必ずといって良いほど肘の機能障害が隠れています。

続いて「腱板損傷」と肘の関わりについて

腱板を構成する筋肉の中で棘上筋が比較的損傷率の高いと言われていますが、この筋肉と肘関節の関わりは「インピンジメント症候群」でお話しします。

2番目に損傷率が高いのが「棘下筋」。

棘下筋

棘下筋

この筋肉の作用は肩を外旋する動きとなり、バックハンドで大活躍する筋肉ですバックハンドで上腕二頭筋が関与するという話を先ほど述べたとおり、二頭筋と棘下筋は協調して働きます。
つまり肘の動きと棘下筋の筋力も関与するのです。

最後に「インピンジメント症候群」と肘の関わりです。

肩が60°から120°にかけて関節内の圧力が高まる構造をしていることから、何かの問題で肩関節の隙間が狭くなっていると、60°〜120°でコリっと音がしたり、引っかかったり、痛みが出たりします。
これがインピンジメント(衝突)症候群と呼ばれる現象です。

関節の隙間が狭いことで起こる棘上筋の損傷(インピンジメント)は肩の回旋運動が原因で起こります。

棘上筋

棘上筋

腕をあげるときには肩の回旋運動が自然と受動的に行うことによって関節の隙間を常にキープしているのですが、それが筋肉の緊張によってや肩甲骨や鎖骨、肘関節の機能障害によって妨げられると、結果インピンジメントしてしまうのです。

さらに肘関節が重要と訴えるのにはもう一つ大きな理由があります。

目的の方向へ飛ばすヒッティングスポーツにおいて、ボールと道具の面というのが重要になってきます。
つまり手の平が目的の方向に対して向くために、肩の受動的な回旋に対して、肘関節が緩衝しなければ、面自体が変わり、ボールが他所に飛んで行ってしまいます。

このことから、肩の痛みだけでなく、競技のパフォーマンスとも関係するため、肘関節の機能検査と治療ができなければ、ヒッティングスポーツにおいてはきちんとしたスポーツコンディショニングも行えません。

我々は関節の機能構造学や神経学、そして空間の認識能力など様々な身体の機能を用いて安心安全で優しい治療を行っています。
肩の痛みやスポーツのパフォーマンスでお悩みの方のお力になれれば幸いです。

肩を動かすと脇がゴリゴリ擦れる音がする

ゴルフ障害 肩・肘・手のコーディネーション

安心安全丁寧な治療

03-6435-2437

東京都港区芝5-27-5山田ビル503

にしむら治療院院長

にしむら治療院ホームページはこちら

アギトス鍼灸整骨院 代表

048-708-2011

さいたま市中央区下落合1013-1スピカビル201

アギトス鍼灸整骨院ホームページはこちら

西村 公典

タイトルとURLをコピーしました