不妊治療 左卵巣の腫れ 十二指腸と第一腰椎の調整の関連 東京都港区三田にしむら治療院/さいたま市アギトス鍼灸整骨院

新しい勉強の課題は、新規で来られる方や久しぶりに再来院される方によってもたらされ、かつその課題は既存の方でうまくいかなかった方を改善する一歩に繋がったりします。

これまでにうまくいかなかった方には、当時出会った頃には至らなかった点で申し訳なく思いますが、これから向き合うかもしれない方々の症状のためにも、こうやって少しずつ治療を成長させなくてはならないと感じる今日この頃。

 

今までは、筋・筋膜、関節、神経とかなり深く学んできたつもりではありましたが、ここに内臓と血管を付け加えるとかなり詳細まで人の体を見ることができるようになります。

今日は、不妊治療(妊活)に関わる点をご紹介したいと思います。


症例:

これまでに妊活を目的とする方や、腰痛や足の痛みなどを主訴として患ってきた方の中に、こんな随伴症状(副症状)を抱えている方がいらっしゃいました。

①左下腹部の張り(当初は便秘と関連付けをしていました)

②左の腎臓の機能低下(40代前半にして左の腎臓は機能を著しく低下していました)

③既往歴:左陰嚢水腫(男性:子供の頃に手術をしていました)

④左卵巣の腫れ(左の卵管が狭い、左の卵巣からの排卵が少ない)

 

こういった随伴症状を骨盤内神経の機能低下による症状として、主症状である妊活や股関節治療の一環として、腰部や骨盤の治療を行っていました。

 

しかし、これらが呼吸(横隔膜)、左卵巣(精巣)静脈、十二指腸とで繋がっていることを知ったのはつい最近です。


機能解剖:

それでは機能解剖学で、これらの症状を紐解いていきましょう。

まずは、機能性ディスペプシアについて記載した部分と重なりますが、

※機能性ディスペプシアについて書いたブログはこちら 胃の痛み・足のしびれ 神経障害と内臓

胃十二指腸 第一腰椎
胃十二指腸 第一腰椎

胃から繋がる十二指腸(上の図緑)は第一腰椎の高さに始まり、第2第3腰椎付近で後腹膜と接続して固定されています。

第1腰椎付近で胃の幽門から十二指腸に至るのですが、この付近では、腹膜内臓器となるため、小網で腹膜と連結してはいるものの、可動性に富む状態です。

トライツ靭帯 十二指腸
トライツ靭帯 十二指腸

十二指腸は横隔膜からなる(今回はこの部分の詳細は割愛します。次回に呼吸と胃の関連で書く予定)と言われているトライツ靭帯(写真黄色で光っている部分)によって、回腸となる前の蛇行部分で第2第3腰椎付近に固定されています。

下部胸椎や上部腰椎への治療が胃腸の機能を改善させるのは、今までも特別なことではありませんでした。

しかし、トライツ靭帯が横隔膜の一部からついていることに気づいた今、なかなか改善しなかった胃腸障害や、呼吸機能の治療に大いに役に立ってくれます。
(※呼吸機能とトライツ靭帯の詳細については次回にアップする予定です。)


 

今回は、妊活との関連をテーマにトライツ靭帯と生殖器の関わりを述べたいと思います。

 

不妊治療で相談される「左の卵巣での卵細胞の発育が遅いみたい」「左の排卵ができていない」「左の卵巣が腫れていると言われました」

『では左の卵巣を支配している左の腰椎で悪い部分を探そう』というのは必ず正解とはならなかったのはこのトライツ靭帯が関係していたようです。

 

左精巣(卵巣)静脈
左精巣(卵巣)静脈

 

写真ではピンク色で描かれている静脈が左の精巣静脈です。(女性であれば卵巣静脈)

(※乳幼児での陰嚢水腫や鼠蹊ヘルニアではこの静脈ではなく、腹膜から伸びて起こる腹膜鞘状突起が関連します)

左卵巣静脈
左卵巣静脈

左卵巣静脈は右側と異なり、左腎静脈につながります。(右側は、そのまま下大静脈に繋がる)

この左の腎静脈は上腸間膜動脈と腹大動脈によって圧迫を受けることがあります。
(重篤だとナッツクラッカー現象と言われる稀な疾患病態が存在しますので、血尿や下腹部痛がある方は、泌尿器科を必ず受診してください)

上腸間膜動脈 トライツ靭帯 左腎静脈
上腸間膜動脈 トライツ靭帯 左腎静脈

 

つまり左の卵巣(男性だと精巣)が腫れる原因の1つに、トライツ靭帯や上腸間膜動脈による圧迫があるということです。

そして話を戻すと、トライツ靭帯は横隔膜の右脚からなると言われているので、横隔膜が付着する肋骨や腰部と関連します。

さらに、十二指腸は後腹膜臓器のため腰部(特に第2・第3腰椎)との接続も強く、その全体の位置関係からトライツ靭帯(組織学的には伸び縮みの少ない組織である)の緊張度と左腎静脈や左卵巣(精巣)静脈の圧迫を起こすとわかりました。

 

このところ内臓や血管の走行にも意識を向け始めたところ、思っても見ない治療効果が出ることもありますが、簡単だと思っていた五十肩の治療で苦戦したり、これならすぐ治せそうだなと思っていた坐骨神経痛も治せなかったりと一喜一憂する臨床の日々です。

また新たな勉強の課題に直面することで、今までに良くできなかった症状をまた1つ改善できる喜びとして感じつつ、人間の体を理解するという途方もない道を漸進していきたいと思います。

 


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頬杖 顎関節症と嚥下機能低下 田町・三田・白金にしむら治療院/大宮・浦和・与野アギトス鍼灸整骨院

コロナウイルスの影響で、日常生活を大きく変えることになっています。

来院されている患者さんの生活状況や症状を伺うとこんなところにも影響があるのかと驚くことばかりです。

普段意識しないことに気づく点は良いことですが、普段出ていない症状が出るというのは辛いことです。

普段お目にかかることは珍しい症状につきましても、今までの学びが少しでもお役に立てれば幸いです。


今回は、これまでに何度か紹介している口腔機能についての症例をご紹介します。

※これまでに記載した口腔機能に関するブログはこちら

嚥下のリハビリ 誤嚥性肺炎の予防 口腔機能学

口腔筋機能療法 舌がうまく動かない 

学生の側弯症、顎関節症も合併 動きの触診による評価と治療


症例:

女性 40代

普段から肩こりや背中・首の痛みを訴えて来院されていた方ですが、コロナによる在宅ワークが続き、症状が次第にひどくなり、自粛を続けていたが耐えきれず久しぶりに来院に至ります。

そういった症状の他に今回新しく、顎の痛み(顎関節症)や腰痛も訴えていました。

在宅ワークは、オフィスでのデスクワークと異なるのは、家だと周りに気を使わないからか、結構な不良姿勢が多いということでした。

椅子の上であぐらを描くことなど普段のオフィスではまずできないですし、考え込むときも、前まで背もたれにもたれるくらいで、頬杖をつくことなどまずなかったのが、頬杖をかいていたこともあってか顎が痛くなり始めたそうです。

人目を気にしている方が姿勢も良くなるのですね。


今回の様ないつもと違うことをしたときに起こる変化は、その人の状態をより良く読み取る際にとても重要なキーワードとなります。

椅子の上であぐらをかいていた事が腰痛と関連があるとすると、股関節の屈曲・外転・外旋の機能制限が疑えます。

腰痛の位置も骨盤から臀部に近い位置だったので股関節痛にちかいと行っても良いと思います。

Female foot with ankle pain
3d illustration of Female foot with hip pain

ヨガにも通っていた方だったのですが、確かにあぐらで左側の方が開きづらいとは思っていたそうです。

この機会に、ヨガの動きも良くしていきます。

身体の全体像は
骨盤左下方
腰椎が左側弯
胸椎から下部頸椎まではゆるやかに右側弯
肩は左下がり
頸椎は右側弯

頬杖は左手でついていたというので、胸椎から下部頸椎までの右側弯は頬杖をつく際の身体を左屈している部分と予測できました。

頬杖をつく際には、ついている側で側弯する人と、ついていない方がわに側弯するタイプの人がいるのでどんな感じで着くのか確認が必要です。


左屈している胸椎と骨盤を調整する事で口は開けやすくなりました。

顎関節と側弯については動画の説明がわかりやすいかと思います。

口が開けやすくなったときに、ふと思い出されたのが、「最近飲み込みづらい」という症状でした。

咽頭を通過する時の喉頭蓋の動き
咽頭を通過する時の喉頭蓋の動き

発音テストで舌の機能を検査すると、【か行の発音】が遅れます。

か行は舌を後方に押し付ける運動ですので、嚥下の時に必要な動作として知られています。

発声機能を検査として利用し、治療で変わるかやってみました。


顎関節は開く様になっていたので、口を開ける機能は改善しています。

飲み込み動作では関与しませんが、発声「か」では口角をあげる機能も必要です。

頬杖をついていたせいか、その機能も問題ありません。

頬杖は、左の頬ボネのところにひっかけていたため、頭蓋が右屈していました。

第一頸椎と頭蓋の右屈を調整し、再度発声してもらうと先ほどよりも「か」の発声が速く言える様になりました。

結果飲み込み動作も改善しました。

舌骨に付着する筋肉
舌骨に付着する筋肉

舌も筋肉でできていますので、頭部・頚部でどこかの方向に引っ張られると発声や嚥下に障害が出てきます。

飲み込む嚥下や顎の痛み、そして発声も治療で変えられる部分があるというのに驚かれていました。

歯医者の治療と合わせるとさらに良くなりますので、補助的な治療と考えていただければと思います。

子供では歯並びにも影響が出ますので、勉強姿勢はデスクワーク時の姿勢と同様大切だということを改めて実感しました。

西村 公典


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大腿二頭筋の機能障害による足の痛み 山手線田町駅にしむら治療院/京浜東北線与野駅アギトス鍼灸整骨院

ハムストリングスにおける機能解剖学として「半膜様筋と半月板損傷」について前回記載しました。

前回の投稿 【内側半月板損傷 仙腸関節の関連】

今回は、外側ハムストリングスである大腿二頭筋について症例を元に記載したいと思います。

テーマは、坐骨神経障害に至るプロセスを臨床解剖学的視点で考察します。


まず、臨床的に見た大腿二頭筋の骨盤へのストレスについて

大腿二頭筋の一般解剖学では、

大腿の伸展、膝屈曲位において下腿の外旋とされています。

動画の40秒目からある様に、足が固定されている状態では、体幹側に筋収縮時の引っ張る力が作用します。

二頭筋が収縮した際には、坐骨を外下方へと牽引し、骨盤が左回旋しながら右にスウェーしてきます。

この坐骨の変位によって、その外側を走る坐骨神経を刺激し、結果足の障害を起こしたり、大臀筋の収縮しづらい位置に骨盤が移動することで、起こる腰痛や股関節痛へと発展します。

今回の症例は、その二頭筋が起こしたランニング障害についてです。


症例:

女性:20代 実業団の選手

主訴は「右足のシンスプリント(下腿骨膜炎)」でした。

トレーナーやコーチからは臀筋がうまく使えていないので、臀筋のトレーニングと下腿のマッサージやストレッチを行い経過を見てきましたが、改善が見られず来院に至ります。

ランニング動作の視診と足関節の触診によって、後脛骨筋の過剰な緊張によるものとすぐに分かりました。

重要なのは、後脛骨筋が過剰に収縮するに至ったプロセスを読み解かなければ根本解決にはなりません。

全身の機能検査によって

骨盤の左回旋、下腿の外旋、足の外反しているのが確認できました。

筋肉については、

臀筋の萎縮、大腿二頭筋の過緊張、腓骨筋の過緊張、後脛骨筋の緊張

関節の機能検査では、

股関節の外旋制限、下腿(膝)の内旋制限、足関節の内反制限


考察:

通常、後脛骨筋の過剰収縮によるシンスプリントは、足関節の内反を利用しすぎること(ハイアーチも)で起こりますが、今回は足は外反傾向です。

ここで通常のセオリーでは治らないことがわかります。

足関節の外反を行いながら走る方法としては、下腿の外旋を行う傾向が強いため、二頭筋の関与が予想できます。

確かに膝は硬かったのですが、実際には、坐骨が外下方への引っ張りが強かったため、膝を見ただけでは、問題に気づかなかった様です。

体幹の方が、下腿よりも安定しているのが通常であり、一般解剖学では、二頭筋収縮により坐骨が変位するという考えはしません、臨床で解剖学を使う場合は、もっと原理に戻り力学的にとらえる必要があります。

治療:

二頭筋の硬い部分にコンタクトしながら、坐骨をリリースすることで臀筋の収縮力も改善し、走る速度も足の状態も良くなりました。

障害が出てから時間も経っていたので、足関節の調整、骨盤の変位や腰椎の代償動作の治療、肩や首の調整も必要でしたが、「大腿二頭筋と坐骨」のリリースから目まぐるしい回復をしたので、一番最初の問題は、そこだったのかと思います。

臀筋と坐骨の関係はこちらの動画がわかりやすいかもしれません。


治療を終えて

後々分かったのですが、速くなるトレーニングのために陸上競技トラックで左回りでいつもより速いペースで走っていた時期が怪我の前にあった様です。

きっかけは、
左回りでの速いペースによって骨盤の回旋と二頭筋の収縮を過度に行ってしまったことによる様です。


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内側半月板損傷 仙腸関節の関連 東京都港区にしむら治療院/さいたま市アギトス鍼灸整骨院

内側半月板損傷を患っていた方には、

サッカーやラグビーなど急な方向転換や接触スポーツで痛めた方
ゴルフやテニスなど非接触スポーツで体の回旋を行う方
変形性膝関節症と併発している方

などスポーツ傷害から慢性疾患まで様々です。

今回紹介するのは、自衛官の方で、パラシュートの落下訓練時に膝の半月板損傷と前十字靭帯断裂をした方です。

症例を紹介するとともに、仙腸関節と半月板の関連についてご紹介します。

 

キーワードは:
ハムストリングスの筋繊維構造の違い筋繊維構造と特異な機能半月板と筋肉の関係


症例:

30代 男性 自衛官

20代の時にパラシュート落下の訓練中、着地時に膝を痛める。

訓練後病院にて前十字靭帯断裂、内側半月板損傷と診断され、十字靭帯の手術を行いリハビリを行なった。

基本的な動きには支障はなく、疲れが出てくると膝の内側に痛みと可動域制限が出現。少しずつ悪化していくのが気になり紹介され来院に至る。


基礎解剖学:

内側半月板は半膜様筋によって後方に引き出され、膝の屈曲時に半月板が引っかかる(ロッキング)ことを防ぐことができます。

今回の様に、膝の内側半月板の損傷があった方は、膝の屈曲可動域制限がある場合、多くのかたが、膝の裏側に引っ掛かりを感じることが多いです。

今回の場合も、膝の表側の張りよりも、膝の裏側に詰まった感覚がありました。

半月板とその周囲の組織
半月板とその周囲の組織

症例に戻ります。

検査すると膝の屈曲時に、脛骨の後方変位が強く、前方引き出しにより、膝の屈曲可動域は改善しました。

 

脛骨の前方引き出し
脛骨の前方引き出し

また、膝の屈筋の出力も低下していましたので、坐骨神経の障害も疑い、下部腰椎の調整も行いました。(下記は別のサッカー選手における治療経過で撮影したものですが同様の経過だったので引用します。)

確かに膝の屈曲の筋力テストにおいて改善は見られるものの、膝の屈曲の最終域でまだ詰まった感覚が起こります。

通常、脛骨の治療で改善することが多いのですが、今回はそううまくいきません。

最終結果

仙腸関節の治療に用いる坐骨の調整で最終屈曲も良くなりました。

仙腸関節の調整
仙腸関節の調整

今回はその理由について考察します。

 


機能解剖学からの考察

ハムストリングスにおける筋繊維の違い
ハムストリングスにおける筋繊維の違い

 

腱と筋繊維の向きによって得意とする機能は変わります。

半月板を後方へと引き込む半膜様筋は羽状筋の構造になっています。

内側ハムストリングスを一緒に構成する半腱様筋はと言うと…
紡錘筋(平行筋)という構造になり半膜様筋と機能が異なります。

それが二つの異なる筋肉が存在する理由なのかもしれません。

 

半膜様筋は伸長された際に力を発揮しやすい筋肉のため、起始停止の位置関係が重要になります。

その起始部である坐骨結節は仙腸関節の機能障害によって位置が変化します。

今回坐骨の治療が膝の屈曲角度を改善した理由は、
筋繊維構造の違いによる内側ハムストリングスの協働運動の障害が起始部位の改善によって正常になった、と考察できます。


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肘の痛み 多角的な視点で原因を探る手法 さいたま市アギトス鍼灸整骨院/ 東京都田町・三田にしむら治療院

動画で一通りの流れを説明しました。

症例報告をもとに、一つ一つの解説に興味ある方は以下に記載していきます。

症例:30代男性 テニス

昔からテニス肘を患っており、体幹のトレーニングや肩の強化を行い始めて、その後逆に肩の痛みと運動制限が出現、今回の来院に至ります。

初診時と2回目までは肩の治療(胸郭出口症候群)のため、肩の可動域を評価として治療を行いました。

肩の痛みと腕の疲労感(こちらの症例で以前紹介しました。)

今回はその後、3回目の来院時における肘の検査と治療についてご紹介します。

まずは前回行った肩の治療について簡単に紹介します。


テニス肘 肩の可動域制限
初診時の肩の可動域

第2肋骨が上方に変位し、第3肋骨は逆に下方に変位していたため、そこで大胸筋(および小胸筋)が緊張と機能制限を起こし、痛みが出ていると予想しました。

胸椎と頸椎の治療で肩の痛みはすぐに改善し、2回目の治療後は全く気にならないまでに改善しました。

テニス肘 肋骨の変位


 

3回目の来院時はメンテナンスで、ということでしたが、数年前からテニスをすると肘の内側が痛くなる、いわゆる野球肘、内側上果炎を指標として、治療を進めることにしました。

一般的にいうテニス肘というのは、肘の外側の痛みでひどいと物を握ることすら痛みが出てしまいます。

しかし今回は、肘の内側で手首を掌側に折り畳む動きや指を曲げる筋肉が付着する内側上果を痛めていました。

筋力テストで手首の固定力を評価してみます。

肋骨の変位によって肩の可動域が変わるということは、肘も同様に肋骨の問題で変わることがあります。

今回もそのパターンなのか、肩を下げた状態と筋力を比較してみました。

スライドショーには JavaScript が必要です。

写真ではわかりづらいですが、手首の腱が肩を下げた時の方がはっきりと浮き出ているのが分かる方もいるかと思います。

つまり、胸郭出口症候群の症状が多少、肘の痛みにも影響を出していたことがわかります。

テニス肘 脊椎の触診

筋力が改善する肩を下げている状態と、筋力が落ちる肩を水平にしている場合で脊椎に何が起こっているか確認してみます。

すると、筋力が低下している肩を水平にしている状態では、左側弯(左凸の歪み)が現れているのがわかります。

 


ここで一つの疑問が出てきます。

①肩を下げている方が、脊椎ばまっすぐということは、腰や骨盤、股関節に問題があり、その部分を補正するために、体を傾けている。

※股関節の変位と肩の障害の動画が参考になるかと思います。

もしくは

②スイングする動作で起こる体の回旋時に体が傾くような異常動作がある

※椎骨のカップリングの動画を見ていただくと少し理解できるかと思います。

 

 

①かどうかを評価するために、座ったまま足踏み(股関節の屈曲)をしてもらいました。

テニス肘 腿上げ右肩下がり

 

左肩が上がり、右肩が下がってくるので、股関節も一つ問題点とわかりました。

 

②かどうかを把握するために回旋と側屈の関係をチェックしてみます。

テニス肘 回旋可動域制限

骨盤の左回旋時は、体幹が左側屈できなくなります。

腹斜筋の一部が固くなっているようです。

 

※全ての検査の後、治療してみた結果、①と②は相関関係にあったようで、一方を治すともう片方も改善し、両方治療することでそれぞれの動きが問題なくなりました。

 


次に行った検査に戻ります。

 

左肩を上げなければ、肘がストレスなく機能することがわかりましたが、ここでまた一つ疑問が生まれます。

高いボールを打つ場合、体を右に傾けず(左肩を上げず)に打つことは不可能です。
どうすれば肩をあげても手首肘の筋肉が機能したままでいられるでしょうか?

 

テニス肘 より高い打点 Oリング
より高い打点 Oリング

今回は、指のピンチ機能(Oリングテスト)で見てみましょう。

小指と親指をくっつけておけず、特に小指が私の力に負けて開いてきてしまいます。

テニス肘 骨盤と脊椎の補正
テニス肘 骨盤と脊椎の補正

 

骨盤の触診で左側下がっていることがわかりました(左股関節の内転制限)。

骨盤を補正し、その際に起こる脊椎の歪みをまず補正し、再度筋力検査を行ってみます。

テニス肘 Oring 強化
骨盤を補正した後のOリングテスト

 

つまり、左の骨盤が下がっているために、通常よりも左肩を上げる動作を入れなければ打点にたどり着くことができず、それが最初の肋骨の異常な上方変位を起こしていたと思われます。

 

実際の治療をこの後行い、検査の結果通り、筋力は改善、肘の内側上果炎の痛みもなくなりました。

下記二つの症例も関連したものですので参考にしていただければ幸いです。

腕の筋力低下 上肢の神経障害とその原因

肩の痛みと腕の疲労感

肘の細かい検査と触診についての症例はこちら

スポーツ選手における選手生命に関わる肘関節の障害

 

 

西村 公典


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股関節のインピンジメントおよびグロインペイン 東京都港区三田にしむら治療院・埼玉県さいたま市アギトス鍼灸整骨院

今まで様々なスポーツ選手に対して治療を行なってきて、選手たちが引退を覚悟させられた痛みと言えば、
この股関節のインピンジメントおよびグロインペインもその1つに上げられるのでは無いでしょうか?

プロ選手の中には、注射を打ち続けながら何とかやってきた方も多くいましたが注射も必要なく今もプレーしている方々がほとんどです。

当院の手技はとても優しくソフトな手技ですが、このインピンジメントの初期段階またはグロインペイン(これに関しては重度でも)は、確実に治すことができます。

 

当院で良い結果が出た中で、それまでにいろいろな治療を受けてきたけども治らなかった方々の特徴を今回紹介したいと思います。

 

諦めかけていた方々の中で多かった股関節の痛みの原因としてあげられるのが

①仙腸関節の機能異常の一つである【腸骨の内方変位】です。

反対側の足の内転筋による障害

足関節の内反足

これらの問題によって起こっていた股関節の痛みは、股関節をほぐすと言った治療は無意味です。

 

一つ一つ治療の機序を紹介します。

腸骨の内方変位

下の動画で説明したような「骨盤の前傾による寛骨臼の被さり」は通常の股関節の治療で行う「腸腰筋に対するアプローチ」で良くなるため、どこの治療院でも受けることはできていると思います。

 

しかし、腸骨の内方変位を見つけるにはとても繊細な触診技術がいるため、ほとんど見つけられないまま、腸腰筋と四頭筋をマッサージし続けるという無駄な努力が行われています。

腸骨の内方変位によるインピンジメント
腸骨の内方変位によるインピンジメント

同じ理論で見つけられていなかった骨盤の変位によるインピンジメントに
仙骨の回旋変位・仙骨の傾斜・仙腸関節の離開・反対側の長骨の変位などがあります。

一人一人の細かな差の触診によって股関節の治療が確実なものとなります。

当院では、その細かい差を見つけるために、股関節以外にも過去の怪我などの聴取と検査を大事にしています。

仙腸関節(腸骨)の調整
仙腸関節(腸骨)の調整

 

反対側の足の内転筋による障害

これは、先ほど登場した仙骨の傾斜とほとんど同じ病態なのですが、

反対側の内転筋の緊張や、反対側の中殿筋の機能低下によって起こる骨盤の傾斜(トレンデレンブルグ)によって寛骨臼が覆い被さり、①同様にインピンジメントしやすくなります。

股関節の正常な外転動作
外転時の骨盤による股関節の代償運動股関節の正常な外転動作

外転時の骨盤による股関節の代償運動
外転時の骨盤による股関節の代償運動

なぜこの②が見つけづらいかというと、患側であるグロインペインを抱える足にも内転筋の緊張は起こっているために、左右差を見つけづらいという背景が関係していると思います。

 

インピンジメントやグロインペインを起こすと腸腰筋は短縮し機能低下(外旋屈曲の筋力低下)を起こします。

その際、内転筋が腸腰筋の機能の代わり(内転屈曲による外旋屈曲の代償)を果たし患側の内転筋の緊張は必ず起こっています。

そのため、可動域では健側の方が当然のように大きいため、健側の股関節の制限を見つけるのは容易ではありません。

可動域ではなく「可動性(動きの性質)」を読み取ることが重要です。

骨盤の傾斜の調整と内転筋の伸長法
骨盤の傾斜の調整と内転筋の伸長法

足関節の内反足

これも最終的に寛骨臼が被さる、①と②と理論的には大きく変わりません。
加えて、ニーインすることによる股関節の外旋制限も関係してきます。

運動連鎖
運動連鎖

この足関節の内反足というのも細かい触診をしだすとどれくらいパターンがあるかを考えて治療している方がどれだけいるかというところが問題です。

脛腓関節による内反足もあれば、距骨の傾斜・舟状骨の下方変位・内側楔状骨の下方変位・立方骨の上方変位・距踵関節の回旋・膝関節の外転・・・。

2つの骨で構成される股関節のインピンジメントでさえ分類がいくつもできてしまうのに、複数の骨により構成される内反足はさらに多様となります。

距骨の調整
距骨の調整

 

 

もし股関節の痛みでお困りの方があれば是非一度ご相談ください。

その際には、過去の怪我や他の症状なども聴取・触診しますので、症状が出始めた前くらいにどんなことを行なっていたのか、その前にどこか怪我はあったのかなど、もし覚えていることなどあれば仰ってください。

 

西村 公典


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嚥下のリハビリ 誤嚥性肺炎の予防 口腔機能学 東京都田町にしむら治療院/さいたま市アギトス鍼灸整骨院

以前にも、パーキンソン病と誤嚥性肺炎についての症例の中で、嚥下の機能を説明しました。

パーキンソン病と誤嚥性肺炎 顎の震え

その時は、頭の傾きと顎関節について説明しましたが、今回は「嚥下」そのものの機能について症例と共にご紹介します。

口腔筋機能療法 舌がうまく動かない 

でも触れましたが、今回は喉頭蓋の機能解剖を説明します。

 


 

咽頭を通過する時の喉頭蓋の動き
咽頭を通過する時の喉頭蓋の動き

 

咽頭を食物が通過する際に、喉頭蓋は気管を塞ぐための蓋をします。

喉頭蓋は軟骨組織のために、それ自体に運動する機能はありません。

喉仏のすぐ上にある舌骨が前上方に動き、それをテコに喉頭蓋は気管を塞ぐべく後下方に倒れます

舌骨に付着する筋肉
舌骨に付着する筋肉

今3つの筋群に分けましたが、
①舌骨を上に動かす「茎突舌骨筋」「顎二腹筋後腹」「オトガイ舌骨筋」「顎二腹筋前腹」
②舌骨を下に動かす「胸骨舌骨筋」「肩甲舌骨筋」など

に大きく分けられます。

ここからは症例をもとに説明します。


 

症例:

80代男性:既往歴に脳出血、片麻痺による側弯

ほぼ寝たきり(座ることはなんとかできている)のため、要介護認定を受けています。

足の治療で当初往診をしましたが、食事が最近取れなくなってきたという相談を聞き、嚥下の治療も開始しました。

足の調子が悪くなってから、寝る時間が長くなり、顎関節の筋力が弱くなったことが原因のようです。

 

ここでポイント

先ほどの図

舌骨に付着する筋肉
舌骨に付着する筋肉

この顎二腹筋とオトガイ舌骨筋がかなり重要な筋肉です。

最初にお話ししたように、飲み込み(嚥下)の際に舌骨が前上方に動くことによって喉頭蓋が気管を塞ぎます。

この舌骨の前上方へと引っ張る筋肉が顎二腹筋とオトガイ舌骨筋です。

ただこの筋肉は下顎骨(顎の下の骨)に付着しているため、下顎骨が固定されていなければ機能しません。

 


 

考察:

寝たきりによって顎の筋肉が落ち、下顎骨が固定できないために舌骨の引き上げができなくなった。

そのため、咀嚼機能だけでなく、飲み込むこともしづらくなり、体力的にさらに低下した。


治療:

下顎骨の固定と、側頭骨に付着する舌骨筋や、舌を動かす筋肉の調律を合わせるために、後頭下筋群の調整を行い、かつ、肩甲骨と胸骨の調整によって、舌骨を下方に引っ張る筋肉の緊張を緩和。

 

最後の最後まで、自分で食事を取れるようにと祈りながら治療に携わらせていただいています。


安心安全な優しい施術

【にしむら 治療院】

東京都港区芝5-27-5山田ビル503

JR田町駅から徒歩2分、都営浅草線三田駅から徒歩1分、都営三田線三田駅から徒歩2分

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【アギトス鍼灸整骨院】

埼玉県さいたま市中央区下落合1013−1 スピカビル201

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筋萎縮性側索硬化症 ALS 脳内ネットワークの働き 東京都港区/埼玉県さいたま市 治療院

当院には、神経障害の方は多数来院していただいています。

脳梗塞後の拘縮に困る方や、パーキンソン病の震えに困る方、脊柱管狭窄症により足に力が入らない方など様々です。

今回は、病院での診断が肉離れ→脊柱管狭窄症→ミオパチー→ALSと2年にわたる診察の結果を受けた方の筋力が改善した症例について、最近の名古屋大学による研究を添えて症例検討していきます。


症例:

60代男性
マラソンで足のふくらはぎを負傷後(肉離れ)、痛みが引いてきた後に力が入らず、爪先立ちができない。

マラソンでの負傷直後、近隣の整骨院で「肉離れ」の治療を行なっていました。

痛みは改善したけれども、爪先立ちができないため、病院を受診、そこで「脊柱管狭窄症」と診断されます。

負傷から半年が経過しても筋力が落ちる一方だったので、神経系の治療を行なっている当院を受診。

数回目の治療後、爪先立ちが1回だけできるようになりました。

毎週の治療を行い、2ヶ月くらいで10回できるようになり、その間に整形外科から神経内科へと紹介され「ミオパチー」と診断されます。

負傷してから10ヶ月くらいで、
肉離れ→脊柱管狭窄症→ミオパチー
という診断の流れです。

当院での治療後は毎回、爪先立ちができるようになるため、治療を繰り返す間にふくらはぎが少しずつ太くなってきました。(しかし、健側と比べると断然細い)

 

治療:

私が行なっていた治療は、

①爪先立ちをする準備段階で、骨盤がセットされていない点に注目し、運動連鎖の修正

②腰椎が側弯しており、回旋が強く行われていたので、回旋の治療

これらは、足の力が弱いことを補うための姿勢や運動連鎖なのか、これが足の力を弱めているのか、筋力検査を何度も間に入れてチェックします。

足に力が入る骨盤の状態(姿勢)を覚えてもらったり、腰椎の回旋を治療すると治療直後に爪先立ちの回数が改善します。

 


趣味のゴルフや軽い登山も再開でき、順調に行っていたある日、経過観察を続けていた病院から「筋萎縮性側索硬化症 ALS」の診断が下ります。

2年もの間、足の筋力が改善していたにもかかわらず、なぜ進行性の疾患を診断されることになったのか、名古屋大学の研究結果を添えて、ここから考察を行いたいと思います。

脳内ネットワークという視点から、ALSの方が引き起こす音読障害についての研究です。
こちらから名古屋大学のPress Releaseが読めます。

この論文は2019年の12月号のNewtonで紹介されていたため、私も知ることができました。

メインページである心理学についても面白いのでぜひ読んでみてください。



 

この名古屋大学の研究のポイントは、Press Releaseでも紹介されている通り、

  • 認知・記憶・行動に関わる領域を結ぶネットワークの異常を発見した
  • 複数の領域を結ぶネットワークが引き起こす高次機能障害を可視化

だと思います。

音読や発話と同じように、足を動かすという行為も脳内ネットワークの異常がもたらしていることも考えると、

「足に力を入れる」動作に対して、重心移動などを行い準備する記憶と足裏や各関節の認知機能、筋・関節からのフィードバックによる神経回路(ネットワーク)の異常によって、より筋力を低下させる要因となっていたことが予想できます。

 

本来の神経細胞内の異常タンパク質の蓄積に対して効果があるとは思えませんので、病気本来を治療することはできませんが、脳梗塞後の拘縮の治療やパーキンソン病の震え同様、ネットワークの異常については徒手療法はかなり良い結果を出せます。

 

登山やゴルフも再開できていたので、進行する筋力低下についてかなり抑制でき、QOLを改善させることができ幸いです。

筋力低下でお困りの方のお力に少しでもなれれば幸いです。

 


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腕の筋力低下 上肢の神経障害とその原因 東京港区田町・三田/ さいたま市中央区 治療院

“痛み”については徐々に症状を強めた場合であっても、いつ頃から起こり始めた症状かは見当がつくものです。

しかし、神経障害による筋力低下というのは、気づけば手足は細くなっていて、神経の障害が起こるような身体の異常が出てから気づくまでに時間が経過していることがほとんどです。

気づけば右腕は痩せ細り、一周りも二周りも左腕よりも細くなっていた方についての症例を元に今回の原因をご紹介します。


症例:

40代男性

症状:右の首肩が凝るというのは時折あったが、ここ数ヶ月右腕に力が入らない感覚になった。
筋力低下に加えて、肩や腕も痩せ細り、常に腕は重い。
整形外科や神経内科を受診しても特に思い当たる疾患は見当たらないということで当院に来院される。

症状からの予測

画像診断でも頚椎に大きな問題が見られなかったことから、硬くなった筋肉が神経を締め付けることで起こる絞扼神経障害がまず先に考えられます。

肩の筋肉も痩せていることから、肘で起こる絞扼神経障害よりももっと上位で起こっていることはすぐに予想できます。

首から肩で起こる絞扼神経障害の斜角筋症候群・肋鎖症候群・小胸筋症候群とある中で、どれも整形外科検査は陽性でした。

つまり問題点は①斜角筋②肋骨と鎖骨の問題③小胸筋ということになります。

 

触診および検査:

頚椎は右側弯(右凸)、肩は右側が強く落ちて、巻き方にもなっています。

この状態では、
頚椎の側弯による①斜角筋症候群
肩が落ちていることによる①斜角筋症候群もしくは②肋鎖症候群
巻き方は小胸筋が過剰に収縮している様子も考えられ③小胸筋症候群
と言ったように、どの絞扼神経障害も関わっているようです。

ここからが重要、

それぞれの問題を引き起こす要素はどこに隠れているのかです。
すぐに思いつくような障害というのは、マッサージや運動で良くなるものですが、今回のようにいろんなことを試されても良くならなかった場合というのは隠れた問題があります。

症状以外の問題点を探してみると
体幹の右回旋制限、
右肩の可動域制限 屈曲80°(胸鎖関節の痛み)、外転80°(腕が重い)、水平外転–5°(胸筋のつっぱり)、水平屈曲95°(胸鎖関節の痛み)

体幹の回旋制限をしている場所は第7胸椎の左回旋変位
回旋変位を治療すると右回旋の可動域は改善し、外転が90°、水平外転の可動域が改善しました。
小胸筋の緊張も同時に改善します。

胸椎の回旋異常
胸椎の回旋異常

 

胸椎の回旋モデル
胸椎の回旋モデル

肩の挙上(屈曲と外転)がまだ改善しないので、体幹の屈んでいる(屈曲)しているポイントを探してみます。
伸展制限は第9胸椎でした。
伸展制限を改善すると屈曲可動域100°、外転100°と改善し、水平内転は未だ胸鎖関節に痛みがあります。

胸椎の屈曲による頚椎の緊張
胸椎の屈曲による頚椎の緊張

肋鎖症候群とも関係があり、かつ改善できていない水平内転時に症状のある胸鎖関節を検査すると
鎖骨近位の前方変位、肩峰の後方変位
これはいわゆる内巻きの肩と呼ばれる状態とは異なります。どちらかというと胸を張っている状態です。
つまり、猫背は体を丸めた状態であって、鎖骨や肩甲骨は胸を張っている状態で、逆に鎖骨が肋骨を締め付ける状態となっていたようです。
こう言った方には姿勢を良くすることで腕が痺れやすいです。

胸鎖関節を治療すると肩の可動域も改善し、筋力も改善しました。

胸鎖関節の動き
胸鎖関節の動き

頚椎の治療はする必要もなく、これまでの治療で肩の位置が戻り頚椎の問題も自ずと改善できていました。

 

あなたの頸神経の障害は一体どこから来ているでしょう?

少しでもお力になれれば幸いです。

 


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呼吸機能の改善 肺の手術後やランニングのコンディショニング 東京都/田町駅/三田駅 さいたま市/与野駅/ さいたま新都心駅

今回のページは
前書き→機能解剖→症例の流れで記載しています。

今回と同じ”胸郭”に関係あるブログはこちら
肩の痛みと腕の疲労感 胸郭出口症候群

医療関係者はこちらのアメリカのオステオパシー(徒手療法)の資料をみるととても勉強になりますよ。
肺炎のための有用な補助的ツールのオステオパシー


まえがき

コロナウイルスによる肺炎の懸念はますます高まっており、どのテレビ局も放送時間を割いて注意喚起をしています。
私自身は学生時代の肺炎のトラウマから、日々のニュースでコロナウイルスによる肺炎の症状を見聞きする度に、学生の頃に肺炎で死にかけた事をフラッシュバックしています。

息を吸っても肺に酸素が取り込まれなかったあの時の辛い思いは、今私自身がこうして医療従事者としての人生を歩むきっかけとなっているので、今一度、この場で何ができるのかを見つめ直す機会ともなっています。

※東京都港区にある「にしむら治療院」もさいたま市にある「アギトス鍼灸整骨院」も衛生管理を徹底し、リスク管理を最大限に行いながら最小限の診療を続けております。
各治療院の対策についてはそれぞれのホームページからご確認ください
にしむら治療院ホームページ
アギトス鍼灸整骨院ホームページ

私は学生時代、肺炎によって低酸素状態となり緊急搬送され治療を受けたことがあります。
小児喘息の持病があり、通常よりも呼吸機能が弱かったことが、軽い肺炎でも私にとってはとても酷い重篤な事態となっていました。

症状が改善し、退院する時に、今後も肺炎など呼吸器系の疾患で心配しないようにいくつかのアドバイスを教えて頂いたことを今でも思い出します。

  • 健康なうちに、肺活量を上げるためにトレーニングをすること(例えば、水泳やマラソン)
  • 胸式の呼吸から腹式呼吸を活用する(男性は腹式呼吸の方が強い割合で機能すると言われています)
  • 寒冷時、気管支を刺激しないように鼻呼吸をすること(口呼吸だと冷たい空気がそのまま気管支を通り抜け、刺激することで気管支が狭くなる)

 

この留意点は、健康な方も肺炎になった方も意識しておいてほしい点です。

 

その後医療従事者になる道を選び、いろんな専門書物を読みあさったことで、様々な徒手療法(手技)やエクササイズで呼吸機能を改善させることを学びました。

 

そういった知識と経験は、
肺癌を患い、その手術によって片方の肺の機能が弱くなり、着替えることも休み休み呼吸を整えなければままならない方の治療にも活かすことができています。

手術や疾患によって落ちてしまった呼吸機能の改善だけでなく、
マラソンを行っている一般ランナーやトップアスリートのコンディショニングにも活かすことができています。

幸い昨年は、世界陸上にも選手を送り出したり、テニスでは高校生日本選手権で優勝まで導くことができました。

今思うと、きっかけは学生時代の肺炎の経験だったことを思い出します。

さて、本題に進みます。


機能解剖学:

吸気時上部肋骨

肺は自らによって膨らんだり、しぼんだりすることはできず、肋骨に覆われた胸郭と横隔膜と呼ばれる筋肉によって、受動的に膨らまされ、肺に酸素が入る仕組みになっています。

その胸郭の動きは、背骨と肋骨の関節の構造によって幾つかの特徴があります。

その特徴に合わせた治療法を選択することで、肺に病を患っている方も、スポーツ選手も状態をより良いものにとすることができます。

まず、
上部肋骨(第一肋骨から第5または第6肋骨)までは、肋骨の前方に付着する胸骨が起き上がるようなポンプの柄に例えられる運動をします。

ポンプの柄 肋骨の動きのモデル
ポンプの柄 肋骨の動きのモデル

背骨(椎骨)と肋骨の関節である、「肋椎関節」をてこにして胸骨が持ち上がります。

下部肋骨は、それに対してバケツの柄のような運動をします。

吸気時中部肋骨
吸気時中部肋骨 バケツの柄運動

バケツの柄 中部肋骨 胸郭の運動
バケツの柄 中部肋骨 胸郭の運動

上部肋骨が前後に広がるの対して、下部肋骨は主に横の幅が広がります。

肺の機能が障害されている側の胸郭において、上部の脊椎は伸展(反らす)の制限、下部の脊椎においては側屈の制限があると、胸郭がうまく広がらず酸素が肺の中に取り込まれにくくなります。


症例:

80代 男性

症状 :
肺がん手術後に起こっている息切れ疲労倦怠感、腰痛、足のだるさ(足が持ち上がらない)

検査:

胸郭を触診し、呼吸時の肋骨を触ってみると、手術をした左の胸郭(実際には左の下葉を手術で除去)があまり膨らんでいません。

手術をした側なので手術痕による組織の癒着も考えられます。

肋骨1つ1つの可動性を検査
第6肋骨と第5肋骨で段差ができており、その肋骨を調べると、

第5肋骨:左屈変位
第6肋骨:屈曲変位

呼吸 肋骨(胸椎)の変位
呼吸 肋骨(胸椎)の変位

↑この屈曲変位も側屈変位も胸郭が広がりにくくなる現象なので、この治療で呼吸は深くできるようになります。

側屈の治療の仕方を紹介した動画はこちらです。

ご高齢になられますので骨折にも気をつけなければなりません。
今回は、座ったまま体幹を支えるような治療で少しずつ関節の動きを取り戻していきました。


補足:

横隔神経 C3
横隔神経 C3

今回は胸郭の動きである肋骨についてお話ししましたが、”横隔膜”に注目して考えると頸椎の調整も必要になります。

横隔膜を支配する横隔神経は、第3頸神経から出てくるため、頸椎の調整が必要なことがあります。

頸椎の調整については下の動画の1″44秒くらいから登場しますのでご参照ください。

 

 

まえがきでもご説明したようにマラソンランナーや水泳選手においてもこの呼吸機能を鍛えることは1つのテーマでもあります。

私自身もトップアスリートのケアに携わってきた中で、小さな改善の積み重ねが昨年の世界陸上に選手を送り出すような結果にも繋がりましたので、ぜひスポーツを嗜む方にも意識してほしいことです。

 


安心安全な優しい施術

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