ランニング障害 インソールで悪化した症例

膝・足の障害
Young fitness sporty woman running on country road

ランナー膝やシンスプリントなど足の障害の治療としてインソールを使用している方を大勢見かけます。
インソールで治る方はたくさんいらっしゃいますが、一方で治らない方、悪化する方もいらっしゃいます。


今回はランナー膝で悩んでいる方の症例と共にインソールの危険性についてお話します。

足関節の機能解剖と足根骨のアーチの調整について説明した動画はこちらです。


症例:

30代女性 

現病歴:
1ヶ月前から毎回5㎞程度走ったところで右大腿外側に痛みを感じるようになる。
1週間ほど前から右足底にも痛みが出たため来院。
 

既往歴:
1年前から腰痛で悩んでおり、様々な場所で治療を受けるも改善せず。
2週間前にランナー仲間から勧められたインソールを付けてみるも改善はあまり見られなかった。

触診・理学検査:
大腿外側の触診→大腿筋膜張筋の緊張↑・圧痛(+)
いわゆるランナー膝であることはすぐにわかります。

さてどこから治療を始めればいいか、全身の検査と細かい触診を行なっていきます。

SLR 右30° 左45°
股関節の外転 右30° 左45°
内転 右15° 左20° 

筋力テスト:
大腿筋膜張筋↓(痛みなし)
出力を見ると、神経系の問題の有無が把握でき、明らかに腰部の治療を必要としている状態でした。
 

考察:

元々腰痛があり、大腿外側の痛みも徐々に出てくるという点を考えると、単なる筋肉の損傷ではなく、神経の圧迫によって痛みが出たと考えられます。  

腰部の触診:
(大腿外側の筋肉である大腿筋膜張筋を支配している上殿神経は腰椎4~5番目から出ている為、腰を触診します。)
L4/5間狭窄

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足底の触診:
舟状骨背側変位=内側縦アーチの上昇
足底筋の緊張↑ 圧痛+(母趾側において優位)
前脛骨筋の緊張↑圧痛+、筋力低下 

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考察:

腰部L4/5の狭窄 →L4/5支配神経の障害(上殿神経・腓骨神経)
→大腿筋膜張筋の筋力低下と痛み(上殿神経の障害)
 

前脛骨筋の過緊張と筋力低下および内側縦アーチの上昇(腓骨神経の障害)
インソールを見ると立方骨と呼ばれる外側縦アーチを形成する骨を押し上げるようなインソールとなっていました。
装具師の話では内側のアーチが高く、重心が右足の外にかかっており、それが足の外側になっているという分析だったそうです。

実際には腰部の狭窄によるアーチの変化と大腿部の痛みだったため、立方骨を無理に押し上げる行為が余計な足の痛みを引き起こしていたようです。 

治療:
腰部L4/5のリリース足根骨の調整(舟状骨および立方骨)
股関節のリリース
痛み10→2 

治療頻度;
週に一回の治療を3回行なったところで、10kmでも痛みなし。
2週に一回の治療に切り替わり、症状はないが、自己新記録を出すためのコンディショニング調整を今は行なっています。  

まとめ:

インソールは足元から起こった症状に対してはかなり有効ではあるが、腰部から起こった症状には変化がありません。
足根骨や重心の位置も足元から変えることが果たして有効なのか、現在に至る症状と触診結果から検討する必要があります。
ただ腰の問題が長くかかっていた場合、足元からの治療も必要なため、インソールを補助的に用いることは我々もよく行なっています。
腰から、足から、一方からの治療ではなく、双方から変化を見ることをお勧めします。

足腰やランニングの障害でお困りの方はご相談ください。

足関節捻挫後も続く不調について説明した動画はこちらです

 


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