歩いた時の腰の引っかかり
「歩くと腰に響く」そんな症状はよく相談されますが、
今回は、「歩いている時、足を浮かすと腰に引っかかりを感じる」そんな症状についてです。
女性:
もともと腰痛(左>右)と坐骨神経痛(左)の治療で来院していました。
数回の治療で坐骨神経痛は取れ、腰痛も比較的軽傷に落ち着いたいる状態で経過を見ていた時です。
気づくと歩いているときに腰に引っかかり(左)を感じ始めました。
特に変わったことはしていないそうです。
触診:
感じている引っかかりは、L5/S1(腰仙関節)のあたりを触っていました。
仙骨左下方変位
左腸骨左傾
L5は左に変位し、L4から右側弯がかすかにあります。
可動域
SLR:右30°、左20°(これは坐骨神経痛があった時よりも改善)
足関節:左背屈制限
歩行分析:
引っかかりのタイミングは遊脚期初期
股関節伸展時、膝軽度屈曲
左荷重から右荷重に移る瞬間
見立て:
最初、右荷重に移る瞬間と骨盤の左傾から、いわゆるトレンデレンブルグ兆候があり、それが引っかかりの原因であると予想しました。
治療:
仙骨の左傾に対するモビリゼーション
左腸骨の外方変位に対するモビリゼーション
L4の左下方変位(L4の右側弯)に対する調整
治療後歩いてもらうと、引っかかりは軽減するが、なんとなくそこにまだ何かあるといった感じが残ります。
体幹の可動域を検査すると、坐骨神経痛の時から同じ体幹の右屈ができません。
再度検査:
座位での側屈(右)検査
左の下方変位は比較的硬さが取れている気はしていましたが、棘突起の右方変位で引っかかりがあります。
歩行時、左の遊脚初期は、体幹(腰椎)ではわずかに右屈と右回旋ですが、確かにその動きに対してL4が抵抗しています。
治療:
L4の棘突起コンタクトで右屈モビリゼーション
結果:歩行がかなり軽くなり、ここ最近で一番快調に成りました。