先日から、相次いで同様の症状を呈する患者さんが紹介され、共通の問題で改善が見られましたのでご紹介します。
「うちの社員が、腰痛によって1ヶ月異常休んでいるのですが診てもらえませんか?」
「腰の手術後も足の痛みが半年以上取れず、未だ仕事に行けていないのですが、良くなりますか?」
「軽度のヘルニアは見えるが、手術の必要ないと言われて、薬を飲んでいます。いろんな治療も試しても良くならず、強い薬になっていって未だ続く腰痛と股関節痛、どうにかなりませんか?」
「腰痛で仕事を休み続けている」
この言葉を聞いて、メンタルの問題を疑う整形外科のドクターが多いことにとても残念に感じます。
フィジカルの問題が続ければ、誰でも落ち込みます。
治療家は諦めずフィジカルの原因究明に努めることが大切です。
「この腰痛による仕事を休む」という状態は以外と多いのです。
実際には、【4日以上の休業を要する職業性疾病】のうち、約6割を占めると言われているほど多いのが実態です。
今回の症例のように多くの方のお力になれれば幸いです。
症例:
今回の症例に共通していたことは「実際に痛い場所が、別のところに起因していた」ことです。
1人の症例を元に説明したいと思います。
左の腰痛、腰の4番目の骨L4の肋骨突起に痛みを感じていました。(写真の青丸)

L4肋骨突起
強い痛みで座り続けること、立ち上がることができません。
デスクワークで座り続けることができなく、通勤での電車の乗り換えなどが辛く、出勤もできない日々が続いていました。
今回の痛い場所である、肋骨突起はいろんな筋肉が付着する部位のため、比較的腰痛発生で多い場所です。
腰椎ベルトの固定と、ブロック注射、痛み止めトラムセットの服用、マッサージ、整体、針、いろんな治療を試したけどよくなりませんでした。
考察:
視点を変えてみる必要があります。
【どこに問題が隠されているか】
腰椎のこの部分には腰方形筋や脊柱起立筋など大きな筋肉の他に、横突間筋や多裂筋、腸腰靭帯といった比較的短い組織も付着しています。

腸腰靭帯
L4肋骨突起の圧痛は左の下端にあったため、腸腰靭帯、もしくは横突間筋の痛みの可能性があります。

腸腰靭帯 横突間筋
これらの付着する位置が歪みによって引き伸ばされた場合、より引き延ばすような刺激、例えば、牽引・マッサージ・ストレッチは効果を出しません。
触診:
実際に触診してみると、

L4の右屈
L3は左が下方に変位し、L4は左が上方、仙骨は左が下方に変位していました。
L4からL5に向かう横突間筋は引き伸ばされ、腸腰靭帯も同様に引き伸ばされてしまいます。
こういった「引き伸ばされている痛み」は骨の一つ一つの動きや位置を読み取れなければよくなりません。
腰痛で苦しむ方のお力に少しでもなれれば幸いです。
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にしむら治療院院長
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アギトス鍼灸整骨院 代表
西村 公典