最近多く来られるのが手足の痛みが長く続いている症状の方です
腱鞘炎・関節炎を繰り返している方や、捻挫後の痛みが長く続いている方、
その他にもリウマチの疾患を持っていて関節の炎症を繰り返している方、
そういう方が非常に多く来院しています。
どの方もそれぞれ痛みが軽減するポイントは異なりますが、腰と骨盤部位で多くの方が改善しています。
そもそも足に向かう神経は腰と骨盤を起点としているため、そこがおかしくなると下肢はこわばり、思うように動かず、怪我や炎症に繋がっているのが、改善する理由なのでしょう。
本日は、サッカー選手の捻挫後から繰り返す足首の痛みについて紹介するとともに、繰り返す関節炎の問題に対して考察していきたいと思います。
症例;
数年前に練習中に相手選手との接触によってバランスを崩した際に足首を捻挫し負傷。
そこまで腫れることもなかったため、軽くテーピングで固定しながら練習を続けていました。
最初はテーピング固定による負担と捻挫後の後遺症で痛みが出ているのかと思っていたが、数ヶ月も続き、体幹のトレーニングや足の機能を上げるためのトレーニングをしていたが思うように変わらず、痛みが引いたと思ったらまたぶり返すといった具合で数年間経過、そして当院へ来院となりました。
来院時は強い炎症はなく、足首が動きづらくこわばりを感じる程度でしたが、
ひどい時は、足をつくとびりっと電気が走り、足を引きずって歩くようになるそうで、
ふくらはぎとスネは常に張っている感じで走った後はパンパンに張ります。
痛みは外くるぶしの全体か、内くるぶしの前側が痛み、来院時は内くるぶしの前側は圧痛が見られます。
電気マッサージとスタビリティのトレーニングをずっと行って来ているが思うように経過は改善せず来院に至っています。
可動域・可動性を検査してみると
患側の左足首は健側に比べて、5度動きが小さく、全体的に動きが重い。
足首を素早く動かしてもらうと左足がだんだん遅れてくる。

内反時の距踵舟関節
内反の動きが強く制限されており、距骨の内側が前方へとずれています。
圧痛の箇所も距骨の内側でした(赤マル)

圧痛部位 距骨内側
SLRは左30°右45°でこれも患側が悪い。
外転は左30°右45°、内転は左5°右15°
外旋は左40°右45°、内旋は左5°右30°
股関節のすべての動きで左側が落ちています。
仙腸関節は左側が下方に外方に開くように変位していてこれが股関節の機能異常とも関係が高そうであった。
腰椎は左に側弯しており、特に腰の3番目が一番左に寄っている。
腰の自覚症状は全体的であり、特に背骨の中心に近い真ん中が痛む。
仙腸関節をリリースすると股関節の回旋、外内転は改善するがSLRと足関節の可動域はまだ上がらない。
腰椎のL2の左が上方への動きが鈍く、そこを改善すると、アキレス腱が伸びてやわらかくなり、腰椎のL3が左から右への動きが制限されていたのでそこを改善するとつま先を伸ばす動きに変化が出始めました。
何回かの治療で気付いたのが、治療の順序が大切であるという点です。
2回目の治療は、1回目の気づきを生かして、腰椎から治療し、その後仙腸関節股関節の治療へと行ってみたのですが、なかなか緩みません。
股関節→仙腸関節→腰椎→足関節
の順でないと体は応答してくれませんでした。
このことから、受傷機序は
足関節を捻挫した後、テーピング固定のままの練習で股関節が緊張を起こし、腰椎のねじれを増強し、結果坐骨神経を刺激して足関節の拘縮へと繋がった、と考えられます。
最近気づくのは治療の順序がとても重要であるということです。
問診からある程度治療箇所のプライオリタイズを検討することが結果に左右します。
ぜひ来院の際には受傷前後から今に至るまでの体の不調の時系列をお聞かせいただけますようご協力お願いします。
足の痛みでお困りの方のお力になれれば幸いです。
03-6435-2437
東京都港区芝5-27-5山田ビル503
にしむら治療院院長
さいたま市中央区下落合1013-1スピカビル201
アギトス鍼灸整骨院 代表
西村 公典