入院中に肘部管症候群 こんな時の治し方

手・腕の痺れ
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肘部管症候群は肘の内側にある尺骨神経が通る靭帯が炎症や浮腫によって腫れ、神経の圧迫を起こす神経障害。
入院を余儀なくされた方が、数日目から手の痺れが発症、そしてその後指が開かなくなりました。
これは肘部管症候群だとすぐに気づいたのですが、どういった治療をすれば良くなるでしょう?「入院」「点滴」がキーワードでした。

肘部管症候群は割とよく見かける症状の一つです。小指側の痺れを訴えてくる方もいれば、手が動かなくなったという症状で来院される人もいます。
今回はある病気で入院中手の痺れが現れ、その後指が開かなくなったと訴えて来られた患者さんの症例についてご紹介します。

内科的疾患で入院され、点滴で一週間入院されました。
4日目位から手先の痺れが出現。
退院時には、前腕の痺れと手の指の巧緻障害、指が開かないという症状になりました。
かつての手の痺れが頸椎から起こっていた方なので、まずは頸椎と思いましたが、手の関節の機能障害が強かったので、「指が開かない」というワードから尺骨神経を疑いました。

尺骨神経は虫様筋という指と指の間に走る筋肉を支配するため、尺骨神経が障害されると指と指をくっつけることができません。
その方はむしろくっついてしまっていて開かない状態でした。虫様筋の拘縮が起こっています。
尺骨神経麻痺は手首のギオン管か肘の肘部管で障害が受けやすいのですが、前腕から症状が出ていることから、肘の方がメインで障害されていることがわかります。

関節の機能検査をすると、肘の回内回外制限、伸展制限、屈曲制限。(つまりどの可動域も落ちています。)
これはおもに尺骨での機能制限と感じられました。

肘関節の回内

肘関節の回外

手関節は月状骨による伸展制限、撓屈制限がありました。

手関節の検査

 

肘の尺骨の機能制限を尺骨の微弱な牽引によってリリースし、月状骨の制限をモビリゼーションにて改善させると、手の痺れも手の動きも改善しました。
前にも起こっていた頸椎の問題も治療することで、肩の動きも軽くなりほとんど問題なく改善しました。

頸椎の検査と治療

さて、なぜ入院中に肘部管症候群になっていたのでしょう?
その方は、肘部管症候群になっていた手の甲に点滴をしていました。
つまり、手の甲が上になる様に、肘は回内で保持されます。
回内が元々制限されていると、脇を広げる動き(肩の外転内旋)で、肘の回内を助けてあげます。
すると肘の内側にある肘部管がベットにちょうど当たる様に寝ることになるのです。
それが一週間も続けば、正座していた足のように、手は痺れ、思う様に動かなくなります。

入院、点滴の場所、どのように寝たか、これを最初に聴取できたので、すぐに原因場所を突き止めることができ、治すことができました。

手の痺れでお困りの方のお力になれれば幸いです。

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にしむら治療院院長

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アギトス鍼灸整骨院 代表

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西村 公典

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